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2022/12/08
エンゼルケアとは?
エンゼルケアは、人生の終焉を迎えた故人に施すとても大切なケアの1つです。
亡くなった方が少しでも生前に近い姿でいられるように、死化粧を施したり、遺されたご家族が触れても感染症を引き起こすことのないように死後処理を行ったりします。さらに、エンゼルケアを行うことは遺されたご家族の心のケアにも重要な役割を果たしています。今回は、エンゼルケアを行う目的や注意点について紹介します。
【目次】
■エンゼルケアとは?
■エンゼルケアの目的
・感染症を予防するため
・ご遺体をきれいに整えるため
・ご家族の心をケアするため
■エンゼルケアは誰が行うの?
■湯灌とエンバーミングとの違い
・湯灌とは
・エンゼルケアと湯灌の違い
・エンバーミングとは
・エンゼルケアとエンバーミングの違い
■病院でエンゼルケアを依頼する際の注意点
■故人に尊厳ある旅立ちをさせてあげるために
エンゼルケアとは?
エンゼルケアとは、人が亡くなった後に行う死後処理のことです。エンゼルケアに明確な定義はありませんが、故人が少しでも生前に近い姿になるように行われる処置全般のことを指します。故人が穏やかで自然な表情でお別れができるように「死化粧」を施しますが、その他、ご遺体の処置全般を指してエンゼルケアと呼びます。
エンゼルケアの目的
エンゼルケアを行う目的は、大きく分けて3つあります。
・感染症を予防するため
・ご遺体をきれいに整えるため
・ご家族の心をケアするため
感染症を予防するため
ご遺体は、時間が経過すると腐敗が進んでしまいます。その際に体液や血液が漏れ出すことがあり、家族や看護師、葬儀社の担当者などに付着すると感染症を引き起こす可能性も少なくありません。エンゼルケアは、こういった感染症を予防するために行います。
ご遺体をきれいに整えるため
現在は、病院や施設などで亡くなる方がおよそ8割を占めています。病気で亡くなった方の中には、点滴が挿入されていることが多々あります。医療器具を取り外して、ご遺体をきれいに整えることもエンゼルケアの目的です。
参考:厚生労働省「「厚生統計要覧(令和3年度)」第1-25表:死亡数・構成割合,死亡場所×年次別より
ご家族の心をケアするため
長い闘病生活を余儀なくされていた方や、事故に遭い姿が変わってしまう方もいます。遺された家族は深い悲しみに包まれているため、死をすぐに受け止めることは難しい状況です。エンゼルケアを行うことで「最後に自分たちでケアをしてあげることができた」と死を受け入れることのきっかけとなり、ご家族の心をケアすることができます。
エンゼルケアは誰が行うの?
エンゼルケアを行う人に決まりはありません。また、エンゼルケアを行う上で「資格」は必要ないため、亡くなった場所によってエンゼルケアを行う人が異なります。
例えば病院で亡くなった場合、エンゼルケアは主に看護師が行い、特別な処置が必要な場合は医師が行います。エンゼルケアを行っていない病院の場合は葬儀社のスタッフや納棺師が行ったり、介護施設で亡くなった場合は介護施設の職員がエンゼルケアを行ったりします。
自宅で亡くなった場合には、葬儀社や専門業者にエンゼルケアを依頼しましょう。
エンゼルケアは医療行為にあたらないため資格は必要ありませんが、病院で闘病の末亡くなった場合、身体に医療器具がついていることがあります。医療器具の取り外しには専門的な知識が必要になるため、医師や看護師にお願いしましょう。また、排泄物の対応や身体の消毒も素人が行うことは難しいため、看護師や葬儀社の担当者が行うケースが多くなっています。
湯灌やエンバーミングとの違い
エンゼルケアと比較される行為に「湯灌(ゆかん)」や「エンバーミング」というものがあります。エンゼルケアとはどのような違いがあるのか解説します。
湯灌とは
湯灌(ゆかん)とは、ぬるま湯で故人を拭き清めることです。あの世へ行く前にこの世での穢れを清めるという意味合いもあります。インドで行われている「灌頂(かんじょう)」やキリスト教の儀式の「洗礼」も水で清めるという意味では似ています。
お湯でご遺体を温めて、死後硬直をほぐすようにマッサージを行います。昔は家族や地域の人で行う習わしがありましたが、現在では専門業者や葬儀社のスタッフが行い、家族は立ち会うだけの場合が多くなっています。湯灌のやり方や作法は地方によって異なります。
エンゼルケアと湯灌の違い
エンゼルケアと湯灌も納棺の前に行う処置という点に関しては同じです。しかし、エンゼルケアは故人を生前の姿に近づけるために行う死後処理であることに対して、湯灌はぬるま湯で故人を拭き清めることです。湯灌もエンゼルケアの1つともいえますが、エンゼルケアでは湯灌ではなく、濡れたタオルなどで全身をキレイに拭き上げる清拭(せいしき)を行うことが一般的です。
エンバーミングとは
エンバーミングは、ご遺体の保存・防腐・殺菌・修復処理を目的とした処置のことです。日本語では「遺体衛生保全」ともいいます。
日本ではエンバーミングを行えるところが限られていますが、土葬が主流の国ではエンバーミングは一般的に行われています。
エンバーミングは、専門的な資格と技術を有するエンバーマーのみが行うことができます。体の消毒や殺菌、血液や体液を排出して防腐剤などの保全液を注入します。そのため、ドライアイスなどを使わずに常温で衛生的に長期間、ご遺体を維持・保存することができます。
エンバーミングを行うと腐敗や感染症のリスクがなくなるため、ご家族や弔問客が故人の体に安心して触れることができるようになります。また、長い闘病生活を送って痩せてしまった人や事故で顔にケガを負ってしまった人なども、生前に近い姿に近づけることができます。
エンゼルケアとエンバーミングの違い
エンゼルケアもエンバーミングも亡くなった方の顔や体をきれいにする死後処置であることは同じです。
エンゼルケアは、主にご遺体を表面的にきれいに整えることを目的としています。一方、エンバーミングはご遺体の長期保存や腐敗の防止、殺菌など体内にまで及びます。
エンゼルケアは洗髪やひげ剃りをした後にメイクを施します。エンバーミングも同じくメイクまで施しますが、闘病生活でこけてしまった頬をふっくらさせる、事故などでできた傷もできる限り目立たなくなるような処置まで行い、元気だった頃の面影により近づけることができます。
また、エンゼルケアを行うために資格は必要ありませんが、エンバーミングは特別な資格と技術を持ったエンバーマーのみが行うことができるという違いもあります。
病院でエンゼルケアを依頼する際の注意点
エンゼルケアは治療ではないため医療保険適用外です。費用について事前に把握しておきたい場合には、病院に確認しましょう。
エンゼルケアは亡くなるとすぐに行われるため、ご家族が気づかないうちに完了していたというケースも少なくありません。感染症予防のためにご家族の参加や立ち合いができない場合もありますが、希望については事前に伝えておくと安心です。
故人に尊厳ある旅立ちをさせてあげるために
エンゼルケアや湯灌、エンバーミングは、故人に尊厳ある旅立ちをさせてあげるため、そしてご遺族自身の心を安定させるための重要な過程です。よりよい故人とのお別れができるように、予め病院や葬儀社に相談しておくと良いでしょう。
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