葬儀が終わった後の事
2021/02/05
手元供養ってどんな供養?やり方やメリットを教えて
大切な人が亡くなったときや、先祖の冥福を祈ってお供え物をしたり祈りをささげたりすることを「供養」といいます。葬儀や法事、お墓参り、仏壇に手を合わせるのも供養の一種です。近年、葬儀やお墓のかたちが多様化する中、供養にも新しい方法が登場しています。中でも、手元供養の人気が高まっています。手元供養とはどんな供養なのでしょうか?手元供養メリットや方法、種類について詳しく解説します。
目次
■手元供養とは?
■手元供養のメリットやデメリットは?
■手元供養の方法
■全骨と分骨の違いについて
■残った遺骨の供養する方法は?
■手元供養はどの宗教でも行える?
手元供養とは?
手元供養は自宅や身近なところに遺骨の全部または一部を保管して供養する方法です。手元供養が登場したのは2000年代に入ってからで、比較的新しい供養方法です。手元供養が広まった理由として、田舎にあるお墓を継承できない、お墓がない、マンション暮らしで仏壇が置けないといった家族構成や住環境の変化が背景にあります。
そこで、遺骨をお墓に安置せず自宅に保管する、また身に着けられるよう加工して持ち歩くなどの身近に管理をする手元供養を選択する人が増えています。日本の慣習では、遺骨は四十九日までに納骨することが一般的です。一昔前であれば、遺骨はお墓に入れるのが当たり前と考えられていました。「納骨しなければ成仏できない」といった声もありますが、これは俗説であり仏教の考え方からも納骨しないと成仏できないということではありません。
遺骨の取り扱いについては、「墓地、埋葬等に関する法律」で定められています。遺骨を埋葬する場合は、都道府県に認可された正式な墓地でのみ認められます。好きな場所に埋葬するのは法律違反ですが、遺骨を必ずしも墓地に埋葬しなければならないと決まっているわけではありません。自宅や仏壇に安置して供養することは法律上問題ありません。
近年、手元供養を選択する人が増えているのは、単に「お墓がない」、「お墓が遠い」という理由だけではありません。お墓に遺骨を納めず自宅で管理する、遺骨の一部を身に着けておくことで、故人を身近に感じ、日々の暮らしの中で故人を思い出し、偲ぶことができます。大切な方が亡くなって寂しい、遺骨をお墓にいれるのは寂しくて可哀そうといった理由から、手元供養を選ばれる方も多くいらっしゃいます。
手元供養のメリットやデメリットは?
人気が高まっている手元供養ですが、さまざまなメリットがある反面、デメリットもあります。「遺骨はお墓に安置する」という従来の考え方の影響もあって、手元供養を行うには、周囲の理解を得る必要があります。
手元供養のメリット
手元供養は、故人を身近に感じることができることが最大のメリットといえます。お墓参りにいかなくても、自宅で供養することができます。また、故人が見守ってくれているような安心感もあります。また、お墓や仏壇を購入するのと比べれば、金銭的負担が少ないのも手元供養の魅力です。
また、手元供養はコンパクトなものがほとんどですので、マンションやアパートであっても保管場所に困りません。部屋やインテリアとの調和も気にせず設置することができます。また、高齢者施設等で生活する場合でも、手元供養であれば持っていくことができますので、故人を供養することができます。
手元供養のデメリット
手元供養は遺骨を自宅等の身近な場所に保管する新しい供養のかたちです。そのため、ご遺族やご家族の理解を得られない、反対されるというケースも少なくありません。まずは、手元供養をしたいという意向を伝え、周囲の方としっかりと話し合う必要があります。
また、手元供養を行う前に考えておかなければならないのは、「ご自身で遺骨を管理できなくなった時どうするか」ということです。遺骨は自由に埋葬したり処分したりできませんので、ご自身にもしものことがあったときに、手元供養している遺骨をどうするのか決めておかなければ、残された人に遺骨の保管や埋葬を任せることになり、負担をかけてしまいます。
手元供養の方法
手元供養には、たくさんの方法があります。手元供養を行うための商品もたくさんあり、それぞれ価格も異なります。
遺骨や遺灰を収める「骨壺」
火葬場で収骨する際に使用する骨壺はサイズが大きいため、そのままご自宅で保管するには場所をとってしまいます。そこで、ミニサイズの骨壺に遺灰や遺骨の一部を納めて、自宅に保管します。ミニ骨壺は世代を問わず人気があります。ミニ骨壺と合わせてご位牌や故人のお写真を飾れば、リビングや寝室のちょっとしたスペースが仏壇に早変わりします。しっかりと供養したい、仏壇の代わりにしたいという年配の方におすすめです。
ミニサイズの骨壺は、バリエーションが豊かで素材やデザインもさまざまですので、きっと故人のイメージやご自身のお好みに合ったものが見つかります。
骨壺の素材は、磁器やガラス、真鍮、ステンレス、中には金、銀で作られたものもあります。保管するお部屋の雰囲気やインテリアに合わせて選ぶのもおしゃれですね。
遺骨や遺灰を身に着ける「アクセサリー」
自宅だけではなく、外出する時も故人を身近に感じられることからアクセサリータイプの手元供養が支持されています。常に故人とつながりを感じたい方、アクセサリーをつけることに抵抗のない方、若い世代や女性におすすめの手元供養です。遺骨をアクセサリーにする技術は年々進化し、選択肢が増えています。
定番商品としては、少量の遺骨をペンダントやブレスレットに入れて身に着けることができるタイプが人気です。ペンダントヘッドや数珠などの一部に遺灰を収められるようになっています。特にペンダントタイプは種類が豊富で、ペンダントの素材によっては比較的安いお値段で手に入ります。男性やお子様など、アクセサリーを身に着けることが難しければ、キーホルダータイプもあります。
バッグやスマホなどにさりげなく着け、持ち歩くことができます。その他に、遺骨で合成ダイヤモンドに加工してアクセサリーとして身に着ける方法もあります。
花器やぬいぐるみに収めて「インテリア用品」に
一見遺骨であることがわからない、ぬいぐるみや人形タイプの商品も、女性やお子様から人気があります。ぬいぐるみや人形タイプは、その可愛らしい見た目から、飾ってあるだけで明るい気持ちになれます。骨壺だと気づかれたくないという方におすすめです。また、遺骨や遺灰を加工して、陶器のプレートや花瓶を作る方法もあります。インテリアとして部屋に飾れば、日々の暮らしの中で故人を感じることができます。
全骨と分骨の違いについて
手元供養を検討する際に考えておきたいのが、遺骨の全てを保管する「全骨」にするか、お墓や寺院に納骨した遺骨の一部を自宅等で保管する「分骨」にするかという点です。大切な人の遺骨ですから、なるべく手元に置いておきたいという気持ちになりますが、ほとんどの方は分骨し一部を手元供養にすることを選ばれます。
遺骨全てを手元に置く全骨
遺骨の全てを手元に置く全骨を希望する場合、収納方法を検討する必要があります。お墓に納骨する場合の骨壺は6~7寸であるのに対し、手元供養の商品はその約10分の1になります。ですので、遺骨の全てを手元に置く全骨を希望する場合は、複数の商品を購入して小分けにして収める必要があります。
粉骨することにより遺骨の体積を3分の1から5分の1ほどに減らすことができるので、全骨を納めやすくなります。全骨を希望される方におすすめの方法として、全骨を収納できる仏壇があります。お墓を購入するよりもリーズナブルで、お墓参りやお墓掃除も不要、毎日好きな時に故人を偲ぶことができます。ご自宅のスペースやインテリアなどに合ったお仏壇を専門販売員がご案内いたします。
遺骨の一部のみを手元に残す分骨
遺骨の一部を手元に残す分骨を希望する場合、他の親族にも関わることですので、ご家族で話し合いましょう。遺骨には所有者が決められています。所有者の承諾なしに分骨することはできません。所有者をはじめとした親族の了承を得ることができたら、どのくらいの量の遺骨を手元供養にするのかを決めます。
遺灰にして収納する場合の目安として、一握り程度であればミニ骨壺、一つまみ程度であればアクセサリーに収骨できます。最近では、ご家族や分骨して少しずつ遺骨を分けて保管したり、ご姉妹でアクセサリーを作ったりする方もいらっしゃいます。
分骨をする手続きやマナー
墓地や寺院などに納骨する場合、納骨する先に埋葬許可証を提出する必要があります。加えて、2か所以上の墓地や寺院に分骨をする際には分骨証明書が必要になります。分骨証明書は火葬した火葬場がある市区町村で発行してもらえます。あらかじめ分骨することが決まっていれば、葬儀社が手続きを代行してくれます。
手元供養の場合、分骨証明書は必要ありません。しかし、いずれ納骨するという場合には納骨証明書が必要になりますので、あらかじめ取得しておくことをおすすめします。
残った遺骨の供養する方法は?
遺骨を墓地以外に埋葬することはできません。全骨を手元供養しない場合、残った遺骨はどうすればよいのでしょうか。手元供養で残った遺骨を埋葬する方法について詳しく解説します。
お墓へ納骨する
最も一般的な方法として墓地への埋葬があります。遺骨の一部を手元供養として保管し、大部分はお墓に納骨する方は多くいらっしゃいます。遠方にお墓がある方にもおすすめの方法です。
永代供養墓へ納骨する
通常のお墓は残された家族や子孫が遺骨の管理や供養を行いますが、永代供養墓の場合、霊園や寺院が代わりに管理してくれるのため子孫がお墓を継承する必要がありません。そのため身寄りのない方や家族のいない方は永代供養を利用することが多いです。宗旨や宗派を問わないケースも多いため、無宗教の方も利用できます。永代供養墓にもさまざまな種類やタイプがあり費用もそれぞれに異なります。
樹木葬
近年新たなお墓のスタイルとして人気があるのが樹木葬です。樹木をシンボルとして根元に遺骨を埋葬します。樹木葬のほとんとが永代供養(えいたいくよう)です。墓石や土地が必要ないため費用を抑えることができます。
散骨
散骨は遺骨を2mm以下に粉砕する粉骨を行ったのち、海や山林に還す方法です。大部分は散骨し、手元供養で故人を偲ぶという「散骨×手元供養」の組み合わせは人気があります。散骨は埋葬とは異なるものの、市町村の条例で禁止されている場合があるため、散骨できる場所を事前に確認する必要があります。
本山へ納骨する
各宗派の大本山で合祀(他の遺骨と合わせて埋葬すること)する埋葬方法です。本山納骨は一般的なお墓より費用を抑えることができますが、一度納骨すると遺骨の返還はできません。
手元供養はどの宗教でも行える?
手元供養は、宗教や宗派に関係なく行うことができます。無宗教の方や、仏壇を置くスペースのない、お墓が遠い、家族がいないなど多様化する現代の暮らしにマッチした供養のかたちといえます。
特定の宗教でも無宗教でも可能
宗教の考え方によっては遺骨や遺灰を自宅に保管することをよしとしない場合もありますが、細かい形式がないのが手元供養の良さでもあります。
宗教や従来の常識にとらわれず、ご自身のライフスタイルや考え方にあった手元供養で故人を身近に感じられることが一番のご供養です。
大切な人をお見送りするのにふさわしい葬儀はもちろんですが、大切な人を亡くされたご家族がしっかりと偲び、故人を身近に感じられるようなご供養のかたちをご提案するのも葬儀社の大切な役目です。私たち公益社は、葬儀だけでなく、葬儀後のお墓やお仏壇、手元供養といった供養方法についてご希望を伺い、ご納得いただける方法をご提案します。 手元供養についてはこちらもご覧ください
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