葬儀が終わった後の事
2020/12/15
仏壇の向きはどこが良い?置き場所に決まりはあるの?
かつてはどの家にも仏間があり、仏壇を置く場所を決めるのに悩むことはありませんでした。しかし現在では、住宅環境も住む人のニーズに合わせて多様化しています。仏間や和室がない家もあるため、家を新築したり、引越しをしたり、あるいは初めて仏壇を持つ方にとっては、一体何処に置いて良いのか分からずに困っている方も多いのではないでしょうか。今回は仏壇の置き方、どの向きに置けば位良いのかなど、配置の仕方について紹介します。
目次
■仏壇の向きの考え方
■宗派ごとの仏壇の向き
■仏壇を置く場所を決めるときのポイント
■仏壇を置くのに適さない場所とは?
■仏壇と神棚との位置関係で注意すべきこと
仏壇の向きの考え方
南面北座説(なんめんほくざせつ)
南面北座説は、仏壇を「南向き」に置く考え方です。古代中国では、王などの高貴な人物は南向きに座り、家来は北向で座る慣例がありました。日本もこれに倣って、敬う人は南向きに座るのが一般的になり、敬う対象である仏さまを祀る仏壇も南向きに置く考え方が広がりました。
東面西座説(とうめんせいざせつ)
仏壇を東向きにする東面西座説は、インドからの影響を受けています。インドでは、日が昇る東は「立身出世」する縁起の良い方角とされ、主人は東向きに座るのが良いといわれています。この考え方が日本にも伝わり、仏壇を東向きにするようになりました。
他にも、人の悩みがない極楽の世界は、「西方浄土」とも呼ばれ、西の方角にあると信じられています。極楽のある西の方角を向いて祈るために、仏壇を東側に置くという由来もあり、この考え方は「西方浄土説」といわれてます。
本山中心説
仏壇を置く方角をはじめから決めないのが「ほんざんちゅうしんせつ」です。本山中心説は、その名の通り本山(宗派を統括する中心的な寺院)がある方角に向けて仏壇を置く考え方です。ですので、住む場所によっては、仏壇が東向き、西向き、南向きにもなります。
空海が開いた真言宗では、この本山中心説を取り入れており、真言宗の本山のある和歌山県の「高野山金剛峰寺」の方角に向かって仏壇を置きます。
宗派ごとの仏壇の向き
仏壇は宗派によっても置き方が異なります。主な宗派の置き方は以下の通りになります。
曹洞宗・臨済宗
曹洞宗や臨済宗では、仏壇を南向きに置くことをすすめています。これは先ほど紹介した古代中国から伝わる南面北座説とは別に、仏教を開いた釈迦が説法する際、南向きに座っていたことにも関係しています。
真言宗
真言宗では、本山のある高野山の金剛峰寺に向かって仏壇を置いています。したがって、はじめかから方角が決まっているわけではありません。住んでいる場所、仏壇を置く部屋、本山との位置関係によって方角を決めています。
浄土真宗・浄土宗・天台宗
浄土宗、浄土真宗、天台宗の3つの宗派では、仏壇を東向きに置くことが多いです。これらの宗派では、信仰の対象となる中心的な仏像として、阿弥陀如来を祀っています。阿弥陀如来は、西方浄土、つまり西側の方角にいるといわれているため、西側の方角に向かって祈るよう、仏壇を東向きに置いています。
日蓮宗
日蓮宗では、仏壇をどの方角に置くという考えはありません。置き方は気にせず自由に置いて構わないとされています。
無宗教の場合
もしも、あなたが上記で紹介したどの宗派にも入っておらず、無宗教だけどやはり仏壇を置く場所が気になる…という方は、「十方浄土(じっぽうじょうど)」あるいは「春夏秋冬説」を参考にしてみてはいかがでしょう。
十方浄土
十方浄土とは、東西南北、北西、南西、南東、北東、上下を合わせた「十」の方角、つまり「全世界」を表しています。この世に起こる物事には全て理(法則)があり、「東西南北、上下左右に良し悪しの理由をつけてはいけない」という釈迦の説法から由来されます。つまり、どんな方角であっても、「仏さまは何処にでもいる」という考え方ですので、仏壇を置く方角も、「この位置でなければいけない」と捉われる必要はないということです。
春夏秋冬説
春夏秋冬説は、東西南北を「四季」に捉えたもので、風水にも似た仏壇を置く位置を決める際に役立つ考え方です。
・東向き(春)…万物のはじまり
・南向き(夏)…実を結ぶ
・西向き(秋)…収穫の時期
・北向き(冬)…収める
という考えですが、この春夏秋冬説でも、仏壇はどの方角に置いても問題はありません。しかし、「どの方角でも良いといわれても、やはりどこに置いていいのか分からない…」という方もいるでしょう。その場合は、最も選ばれやすい、東向き(万物のはじまり)、あるいは南向き(実を結ぶ)を選んでみてはどうでしょうか。
仏壇を置く場所を決めるときのポイント
仏壇を置くのに適した場所
床の間
床の間は、和室にある上座の床を一段高くして作られた場所です。本来は花や掛け軸などを飾りますが、仏壇を置くスペースにも適しています。仏壇を床の間に置くのは良くないという考え方もあるようですが、基本的にどの宗派でも問題はありません。床の間のある部屋は、風通りが良くなるように設計されており、仏壇が劣化する原因となる直射日光も避けることができます。このように部屋の作りから見ても、床の間は仏壇を置く場所としても最適です。
畳のある和室
畳のある居間や、茶の間に仏壇を置く方も多くいらっしゃいます。家の中でも家族が集まりやすい場所でもあるため、線香をあげたりお花を供えたりなど、日々のお世話もしやすいところです。部屋が狭いマンションなどでは、場所を選ばないコンパクトサイズの「上置き型仏壇」を利用する方も多く、タンスや押し入れの上部に設置しています。
リビング
マンション住まいの方は、仏壇をリビングに置く傾向が増えています。リビングは茶の間と同様、家族が集まる生活の中心スペースですので、いつも故人が見守ってくれる印象があります。仏間や床の間に置くような大型のものは難しいため、ミニ仏壇を置く方が多いようです。
仏壇を置く時はご本尊の高さにも注意
仏壇を置く場所のほかに、もう一つ注意したいのが、「ご本尊を置く高さ」です。座ってお参りする時には、ご本尊の位置がお参りする人の目より少し上にくるように安置しましょう。また、立ってお参りする時は、ご本尊がお参りする人の胸よりも少し上にくる位置になるように安置して下さい。
仏壇を置くのに適さない場所とは?
仏壇は、ご本尊やご位牌を安置する場所であると同時に、繊細な細工が施された工芸品でもあります。直射日光が当たる場所、湿気が多い場所は避けましょう。仏壇はそのほとんどが木製ですので、日当たりが良すぎると日焼けしたりひび割れを起こしたりすることがあり、湿気がこもるような場所ではカビが発生しやすくなります。また、仏壇の近くに電子レンジ、冷蔵庫、オーディオ機器などの電化製品を置くと、機器から発する熱や音の振動などで劣化する恐れがありますので、近くには電化製品を置くのも避けてください。
仏壇と神棚との位置関係で注意すべきこと
仏壇を置くときには、神棚との位置関係にも注意が必要です。どちらも尊重し、失礼がないようにするという観点から、上下関係になるような配置や向かい合わせになるような配置は避けるようにします。
・仏壇と神棚を向かい合わせにしない
・仏壇の上に神棚をお祀りしない
向かい合わせを避けるのは、どちらかに手を合わせたときに、もう一方にお尻を向けてしまうことになるためです。仏壇と神棚が上下にあると、どちらに手を合わせているのか分かりにくくなるため、このような配置も避けるようにします。
仏壇の置き場所や向きを考え始めたら、ふさわしい場所が見つからないということもあるかもしれません。そのような場合には、ルールにとらわれすぎずに柔軟に考えることも大切です。まずは日常でのお参りのしやすさを優先しましょう。
ご自宅の中で仏壇を置ける場所が今回ご紹介した条件に合わないからといって、仏壇を置かないのでは本末転倒です。現代ではすべての条件がそろう場所がないご家庭は多いかもしれません。より条件にあう場所に置くことができれば、仏様も喜ばれることでしょう。
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