葬儀が終わった後の事
2021/04/30
永代供養墓はどんなお墓?永代供養の費用とメリット・デメリット
少子高齢化、核家族化によって、お墓に対する考え方やお墓の持ち方は大きく変化しています。従来は家ごとにお墓を持つ家墓が一般的でしたが、持ち主に代わってお墓を管理してもらえる永代供養墓の人気が高まっています。永代供養とは、霊園や墓地の管理者が遺族に代わって供養や管理をしてくれるというものです。永代供養にかかる費用はどれくらいかかるのか?また永代供養に向いている人、向いていない人など、永代供養墓について詳しくご紹介します。
目次
■永代供養とは?
■永代供養墓とはどんなお墓?
■永代供養墓のメリット・デメリット
・永代供養墓を選ぶメリット
・永代供養墓を選ぶデメリット
■永代供養墓の4つの種類と費用相場
・見た目は一般的なお墓と同じ「個人墓」
・樹木や花を墓標とした「樹木葬」
・駅近の好立地も選択できる「納骨堂」
・費用が安価な合祀タイプの「永代供養墓」
■永代供養墓が向いている人
・墓の継承者がいない人
・家族に負担をかけたくない人
・自分一人あるいは夫婦だけでお墓に入りたい人
■永代供養が向いていない人
・家族や親戚の理解を得にくい人
・合祀に抵抗がある人
・改葬を考えている人
・複数のお墓をまとめて永代供養したい人
■永代供養墓を選ぶ際の注意点とは?
■今あるお墓から永代供養墓に変えることは可能?
■お墓を永代供養墓に変更する際にかかる費用
・離檀料
・墓石の撤去費用
・永代供養墓に入るための費用
永代供養とは?
永代供養とは、霊園や墓地の管理者が遺骨を預かって、供養や管理を行ってくれる供養方法のことです。通常のお墓は、維持費や管理費が必要ですが、永代供養墓の場合、永代供養料を支払うことで管理費等が必要ありません。永代供養には契約期間が定められていることが多く、契約期間が過ぎると、他のご遺骨といっしょに合祀(ごうし)されます。
施設によっては最初から合祀という条件の永代供養墓も存在しますので、必ず確認しましょう。
お墓の跡継ぎがいない方や、お墓を持っていないという方から人気が高まっています。
永代供養墓とはどんなお墓?
永代供養墓は、霊園や墓地の管理者が遺族に代わって供養・管理をしてくれるお墓のことをいいます。少子化や核家族化、独り身の方など、様々な理由から、お墓を継承する人がいない人や子孫に負担をかけたくないという人でも持つことができるお墓として人気です。従来、亡くなると先祖代々のお墓に入って、その子孫がお墓を受け継ぐというお墓の持ち方が主流でしたが、供養方法は多様化し、お墓を持たない考え方の人も増えてきています。
永代供養墓は、契約をすればどなたでも永続的に供養と管理が受けられるため、亡くなった後も供養の心配はありません。永代供養墓は、永代という言葉がついているものの、期限を設けている場合がほとんどで、契約期限を境に合祀するというお墓が多いです。永代供養に似た言葉に「永代使用」というものがあります。永代使用とはお墓を建てる土地を永代にわたって使用するという意味です。公営墓地や民営墓地などに一般的なお墓を建てる場合、霊園の管理者に永代使用料を支払います。
永代供養墓のメリット・デメリット
永代供養墓を選ぶメリット
●お墓の継承者が不要
永代供養は、供養と管理を永続的に受けることができるため、お墓の継承者がいなくても供養の心配はありません。墓地のお手入れもしてもらえるのでお墓が荒れ果てることもありません。お墓の継承者がいない人だけでなく、ご家族に負担をかけたくない方にもおすすめです。
●コストを抑えられる
一般的なお墓の場合、管理費用が供養する期間によって異なりますので、お墓を持つことに関わる総額のコストを算出するのが難しいですが、永代供養墓は予めお墓を持つ期間を選択することができるため、コストを抑えることができます。新しくお墓を建てるのにかかる費用の相場は200万円前後といわれていますが、永代供養墓の場合は10万円~100万円程度ですので、一般的なお墓に比べるとコストを抑えることができます。
●生前の申込が可能
永代供養墓は生前に申込をすることができるので、ご自分が入るお墓を自分で決めて、手続きを行うことが可能です。作業的な負担や費用的な負担を家族にかけることなくお墓をもつことができます。
●宗教や宗派を問わないことが多い
永代供養墓を持つのが寺院墓地ではない場合、宗教宗派に関係なくどなたでも供養してもらえるお墓が増えています。寺院墓地での永代供養を検討されている場合は、檀家になるなどの条件が定められている場合があるため、寺院に問い合わせすることをおすすめします。
永代供養墓を選ぶデメリット
●遺骨が合祀される
永代供養墓は、最初からまたは一定の期間が過ぎると遺骨は合祀されます。他の方の遺骨と一緒に埋葬されると個人を特定することができないため、遺骨を取り出して別のお墓に移す改葬や、手元供養などができなくなりますので注意が必要です。
●家族や親族からの理解を得られない場合がある
永代供養墓ができたのは、1980年代と言われています。永代供養墓の需要は増えていますが、先祖代々のお墓に入るという従来の考え方をお持ちの方もいらっしゃるため、一定期間を過ぎると他の方と一緒に合祀される点や、家のお墓に入らないという点で家族や親族からの理解を得ることが難しい場合があります。購入する前にきちんと話し合いをすることが大切です。
永代供養墓の4つの種類と費用相場
永代供養墓には、ご家族や親しい方、お一人で入るお墓など他のご遺骨と区画を分けて個別に埋葬した後に、一定期間を過ぎて合祀されるものと、最初から合祀されるお墓の2種類があります。いずれ合祀されるという点では同じですが、亡くなってから一定期間は個別に入るか、最初から他の人と合祀されるお墓に入るかという違いがあります。一般的なお墓や樹木葬、納骨堂といったお墓の種類の中で、はじめから合祀するタイプと、区画を分けて納めるタイプが存在します。
見た目は一般的なお墓と同じ「個人墓」
個人墓は、通常のお墓と同様に個別で故人の遺骨が埋葬されるお墓に、永代供養を加えたものです。通常のお墓と違う点は、家族で入るのではなく、故人一人で入るお墓というところです。そのため、お墓を継承する人は必要ありません。個人墓と似たもので永代供養墓に夫婦墓といって、夫婦だけで入るお墓もあります。
永代供養をしてもらいたいけど、他の人と一緒のお墓に入りたくないという方に選ばれています。しかし、個人墓も一定期間を過ぎると他の遺骨と合祀されることが一般的です。墓石が必要になるため、他の永代供養と比較すると費用が高く、100万円~200万円程度の費用がかかります。一般的な普通の家族墓を建てる時にかかる費用と同じくらいの価格がかかります。
樹木や花を墓標とした「樹木葬」
樹木葬とは、墓石の下に遺骨を埋葬するのではなく、樹木を墓標として遺骨を埋葬する比較的新しいお墓の種類です。樹木の下に遺骨を埋葬することによって、自然に還ることができるという考え方で人気が高まっている自然葬のうちの一つです。
樹木葬には主に3つのタイプがあり、シンボルとなる大きな樹木に他の方の遺骨と一緒に埋葬する合祀型の樹木葬と、シンボルとなる樹木の下に埋葬するのですが、区画を分けて個別に埋葬する集合型の樹木葬、1本の樹木を個別に用意して、その樹木の下に遺骨を埋葬する個別型があります。樹木葬は、日本だけでなくドイツやスイスでも人気が高まっています。
樹木葬の費用は、合祀タイプが5万円~20万円、集合型樹木葬が15万円~60万円、個別型樹木葬が20万円~80万円と墓石が必要な個人墓と比べて安価です。
駅近の好立地も選択できる「納骨堂」
納骨堂は、遺骨を納骨する建物のことです。納骨堂には、ロッカー式、仏壇式、機械式など様々な形態があります。納骨堂の形式で、最も知名度が高いものがロッカー式です。ロッカーのように区切られた壇が壁一面に並んでいて、そこに遺骨を納骨します。スペースは狭いのですが、その分費用を抑えることができます。
納骨堂にかかる費用は10万円~200万円程度です。仏壇式の納骨堂は、霊廟型(霊廟型)とも呼ばれていて、仏壇が横に並んでいます。一般的には上段は仏壇になっているので位牌を安置することができ遺影やお花を飾り、下段には遺骨を納めるスペースがあります。立ったままお参りすることが多い特徴があります。
仏壇式の費用は、30万円~250万円程度です。機械式は、可動式の納骨堂のことで、自動搬送式納骨堂とも呼ばれています。普段は、遺骨は決められたスペースに保管されていますが、遺族がお参りに来たときに決められた操作をすることでお参りすることができます。例えば、専用のカードを機械に通すと骨壺やお位牌がお参りのスペースに自動的に出てきて、お参りすることができる、スクリーンに遺影が映し出されるところもあります。
納骨堂の中でも機械式は少し高く、50万円~150万円程度です。納骨堂にも合祀タイプの永代供養墓が存在し、複数の方のご遺骨が同じ場所に埋葬されます。ロッカー式や仏壇式のものにも永代供養ができるものがあります。自動搬送式の納骨堂は永代供養付きのお墓は多くありません
費用が安価な合祀タイプの「永代供養墓」
合祀タイプは、最初から他の方の遺骨と一緒に埋葬する永代供養墓です。他の人の遺骨と一緒に納骨するので、後から遺骨を取り出すことはできません。一般的に合祀タイプは、費用が3万円~10万円程度と最も安く抑えられます。
永代供養墓が向いている人
お墓の継承者がいない人
お子様がいらっしゃらない、親戚付き合いがないなどお墓を管理するご家族や親族がいない人に向いています。永代供養墓は、あらかじめ管理費を支払っておくので、きちんとお墓の管理と供養をしてくれます。お墓参りに来てくれる人がいなくても、放置されることはないので安心です。
家族に負担をかけたくない人
お墓の管理は大変です。お墓の草むしりなどのお手入れや法要、維持や管理にかかる費用負担など手間もかかります。お墓が遠くにある場合や、交通の便が悪い場所にあると行くのも大変です。子供や孫などのお墓の継承者がいても、負担をかけたくないという方に、永代供養墓は向いています。
近年では、お墓の管理に不安を抱いた子供が親に永代供養墓を薦めることもあります。生前に申込ができるところもあるので、家族間で話し合ったうえで永代供養墓に引っ越しをする方もいらっしゃいます。
自分一人あるいは夫婦だけでお墓に入りたい人
先祖代々受け継がれてきたお墓に入るのではなく、自分一人だけもしくは夫婦だけでお墓に入りたいという人にも永代供養墓は向いています。嫁ぎ先のお墓に入ることに抵抗があるという人もいます。知らない人が沢山いる嫁ぎ先のお墓に入るのであれば、夫婦のみのお墓で眠りたいという方も増えています。また、近年仲の良かったお友達と入りたいという方ニーズに対応し、友人同士で入れるお墓も増えています。
永代供養が向いていない人
家族や親戚の理解を得にくい人
従来の考え方である、お墓は家に紐づき、先祖代々のお墓を受け継ぐという考え方が強いご家庭では理解を得ることが難しい可能性があります。供養を施設に任せることに抵抗がある方や、手を抜いていると感じてしまうと同意を得ることは難しいでしょう。本人が永代供養を望まれても、家族や親戚の同意を得られなければ永代供養墓に入ることは難しいといえます。
合祀に抵抗がある人
永代供養は契約期間がついている場合が多く、期限が過ぎると合祀されます。期間は異なりますが、短いところでは三回忌、一般的には三十三回忌をもって弔い上げとして、合祀されることが一般的です。知らない人の遺骨と一緒に埋葬されることに抵抗がある人は向いていません。費用はかかりますが、中には合祀されないところもあるので、事前に確認が必要です。
改葬を考えている人
永代供養墓は、契約期間が過ぎると合祀されます。合祀された後は遺骨を取り出して、改葬することはできないため向いていません。
複数のお墓をまとめて永代供養した
現在、複数のお墓があり、まとめて永代供養したいという場合、お墓1つずつに改葬のための手続きが必要となります。複数のお墓をまとめて永代供養することは可能ですが、手続きが大変です。
永代供養墓を選ぶ際の注意点とは?
永代供養墓にはい種類があり、寺院や霊園によって異なります。最も多いのは、共同のモニュメントの下に複数の遺骨を納めるタイプです。他にも、樹木葬・納骨堂・個人葬などがありますので、ご自分に合ったものを選ぶようにしましょう。一定の期間が過ぎると他の人の遺骨と合祀されてしまい、遺骨を取り出して改葬することはできなくなるので、期間をあらかじめ訪ねておくとよいでしょう。
また、霊園や墓地の管理者が供養や管理をしてくれるからと言って、ご家族や友人が全くお参りに行かないとは限りません。あまり交通の便がよくない場所は避けた方がよいでしょう。永代供養は、生前に契約できることが多いので、一度ご自分で見学されて選ぶことをおすすめします。永代供養墓は、一般的なお墓と比較すると費用が安いというメリットがありますが、お墓の種類や管理方法によって金額に幅があります。
費用感の確認と費用に含まれる内容について確認するようにしましょう。
今あるお墓から永代供養墓に変えることは可能?
現在一般的なお墓をお持ちの方が、跡継ぎや管理が不要な永代供養墓に変更したいという場合、お墓の引っ越しを行うことが可能です。使用していたお墓をたたむ「墓じまい」を行ったのち、お墓の引っ越し(改葬)を行います。
<変更の手続き方法>
1.今あるお墓に関する手続き
今あるお墓のある墓地の管理者に埋葬証明書の発行をしてもらいます。墓地の管理者の方に、永代供養へ変更する旨を伝えます。埋葬証明書は、決まった書式はなく自由です。
2.改葬許可申請書の手続き
今あるお墓と移転先のお墓の管理者に、改葬許可申請書に署名捺印してもらいます。改葬許可申請書は市区町村役場でもらうことができます。
3.移転先のお墓と契約
新しいお墓のある墓地や霊園の管理者から受け入れ許可証明書を発行してもらいます。
4.市区町村役場に改葬許可申請をする
改葬許可申請書・埋葬証明書・受入許可証の3点を役場に提出し、改葬許可証を発行してもらいます。改葬許可証が発行されれば、墓じまいをすることができます。
5.閉眼供養(魂抜き)をする
今のお墓から、故人の魂を抜く儀式「閉眼供養」を行います。閉眼供養をすることで、お墓は魂を祀る役目を終了します。閉眼供養が終わったら、石材店の人にお墓から遺骨を取り出します。
6.新しいお墓に納骨する
新しい永代供養のお墓に納骨するために、墓地や霊園の管理者に改葬許可証を提出します。新しいお墓へ納骨します。
その他
古いお墓は撤去する作業が必要ですので、石材店に相談しましょう。
お墓を永代供養墓に変更する際にかかる費用
離檀料
お墓が寺院墓地にあった場合は、檀家を辞めるために寺院側に手渡すお布施「離檀料」が必要なケースがあります。離壇料については都度、菩提寺管理者へ確認が必要です。
墓石の撤去費用
お墓の解体撤去作業費は、1㎡あたり10万円前後で、墓石の撤去費用の相場は30万円前後です。
永代供養墓に入るための費用
永代供養墓の4つのタイプと費用相場の項目でご紹介しましたが、お墓のタイプやサイズによって異なるため10万円~250万円程度と差があります。
永代供養墓は、少子高齢化や核家族化の進行によりニーズが高まっています。お墓の継承者がいない人でも安心して供養してもらうことができる、普通のお墓と比較すると料金が安い、家族や親戚の負担を減らすことができるなど様々なメリットがあります。公益社では、葬儀後に必要なお墓選びについてもお手伝いをいたします。ご家族のかたちや、ご希望に沿ったお墓の持ち方をご提案します。 葬儀後の法要について公益社に相談する
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