葬儀
2021/08/16
お斎(おとき)とは何?法事の施主が知っておくべきマナーを紹介
身近な人が亡くなって葬儀や法要に参列した後、多くの場合食事が振舞われます。この食事会のことをお斎(おとき)と言います。お斎にはどのような意味があるのでしょうか。お斎に関する常識やマナー、施主が行う挨拶の例文、参加する際の服装についてご紹介します。
目次
■お斎とは
・お斎の意味
・お斎で振舞われる食事
■お斎の金額相場
■お斎で行う施主の挨拶
・お斎の挨拶
・お斎の挨拶の例文
・お斎の献杯
■お斎の席順
■お斎で渡す返礼品(引き出物)について
・返礼品を渡すタイミング
・返礼品
・返礼品としてふさわしくない物
・夫婦や家族連れで参列した方への返礼品
■お斎の服装
■お斎に参加できない場合
■お斎を省略する場合
お斎とは
お斎の意味
お斎(おとき)とは、葬儀・法事の後に行われる食事会のことです。地域によっては葬儀の朝に故人と一緒にとる最後の食事を指すところもあります。また別の地域では、「出立ちの膳」と言って出棺前に振舞う食事のことをお斎というところもあります。通夜振る舞いや精進落としもお清めと呼ばれ、お斎に含まれます。お斎や御斎と書くこともあります。
読み方は、一般的には「おとき」と読みますが、地域によっては「おとぎ」と読むところもあります。お斎は、施主からお坊さんや参列者に対する感謝の気持ちを表すための席で、食事をしながら思い出話をして故人を偲びます。お斎は一般的に、自宅や葬儀場などのホール、レストランや料亭などで行われます。以前は、お斎で振舞われる食事は精進料理が定番でした。時代とともにお斎のスタイルは変化していて、現在は懐石料理や仕出し弁当が主流になっています。
お斎で振舞われる食事
従来、喪家は四十九日の忌明けまでは肉や魚などの動物性食品を使用しない精進料理を食べていました。そのため、お斎で振舞われる食事も精進料理が一般的でした。精進料理は、野菜を中心に、ゴマ豆腐や油揚げなどの大豆製品を使った料理が定番です。しかし、現代では忌明け前であっても通常の食事をとることが一般的となったため、お斎も精進料理ではなくなっています。
懐石料理は、お椀・お造り・焼き物・炊き合わせ・お寿司にデザートなど品数が豊富です。お弁当は、和え物・煮物・お寿司・天ぷら、とんかつやエビフライなどの揚げ物など、和食中心のメニューが一般的です。自宅でお斎を振舞うことが多い地域では、手作りをするという方もいらっしゃいます。お斎を手作りで振舞う場合には注意が必要です。
伊勢海老や鯛、昆布やお赤飯などのお祝い事に使われる食材は避けましょう。また、おせち料理によくある紅白のものや松竹梅を飾ることもよくありません。地域によって独自のルールがある可能性もあるので、ご近所の方地域のしきたりに詳しい方などに確認すると安心です。
お斎の金額相場
お斎は、一人当たり3,000~10,000円程度が相場となっています。お斎を行う会場によっても金額に差が出ます。斎場やお寺で行う場合は3,000~8,000円程度ですが、料亭やレストランで行うと5,000~10,000円、ホテルで行う場合には8,000~12,000円と少し高額になることが多いでしょう。
飲み物代も含まれていることがほとんどですが、中には飲み物は別途料金がかかることもあるので、事前に確認しましょう。三回忌以降の場合は、親族だけで行うことが多くなるため少し金額も変わり、3,000~5,000円程度に縮小されることが多くなっています。
お斎で行う施主の挨拶
お斎の挨拶
お斎では、食事の開始時の献杯、食事後、お開きのタイミングなどで施主が挨拶を行います。お斎の挨拶のパターンは様々です。
・施主が一人で挨拶を行う
・施主がはじまりの挨拶、他の親族が献杯の挨拶を行う
・司会者を立てて、施主が献杯の挨拶を行う
挨拶が苦手という方は、無理に一人で全部行おうとせず、司会を立てたり献杯の挨拶を親族にお願いしても、失礼にはあたりません。無理のない範囲で行いましょう。お斎の挨拶は、参加してくれたことに対するお礼と法事を終えたことの報告の言葉を入れます。食事には、参加してくれた方へのおもてなしの気持ちがあることを伝えて下さい。施主の挨拶は、1分程度にまとめるとスマートです。
お斎の挨拶の例文
●献杯時の挨拶例
故〇〇(故人との続柄)の△△(氏名)でございます。本日はご多用のところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
お陰様で、法要を無事に終えることができ○○(故人)も安心していることと存じます。
本日は皆様と故人の思い出話をしながら、故人の冥福を祈りたいと思います。
それでは献杯のご唱和をお願いいたします。「献杯」
ありがとうございました。それでは、どうぞごゆっくりお召し上がりください。
●献杯を別の人にお願いする場合(故人と親しかった人や親戚にお願いするケース)
故〇〇(故人との続柄)の△△(氏名)でございます。
本日はご多忙中のところお集まりいただき、誠にありがとうございます。故人もさぞ喜んでくれていることと存じます。お陰様で法要も無事に済ませることができました。これより皆様と一緒に故人を偲びたいと思います。
まずは、〇〇(故人)の友人である□□様より一言お願い致します。
事前に献杯の言葉をお願いしていた方から、献杯のご挨拶を頂く。
「献杯」と発声します。
施主が「それでは、どうぞお食事をお召し上がりください」などと発声して食事をはじめます。
●お斎のお開きの挨拶
本日は、ご多忙中のところ最後までお付き合い頂きまして誠にありがとうございました。これにてお開きとさせて頂きます。今後とも、どうか変わらぬお付き合いご指導のほどよろしくお願い申し上げます。本日は、誠にありがとうございました。
お斎の献杯
献杯をする前に、位牌及び遺影の前に酒の入った杯を置きます。お斎の参加者全員がそれぞれの杯を手に持ちます。献杯の挨拶をする人が、位牌や遺影の方も向いて軽く杯をかかげたら、少し低いトーンで「献杯」と発声し列席者も続いて静かに発声します。地方や宗派によっては、献杯の方法に決まりがあったり、献杯をしなかったりする場合もあります。葬儀社や神社、お坊さんに確認すると安心です。
お斎の席順
お斎には、良いとされる席順があります。お坊さんが出席される場合は、お坊さんに上座の中の最も故人に近い席に座ってもらいましょう。お坊さんの隣には施主が座ります。遺族の代表者はその場を取り仕切ったり、挨拶をしたりする都合上、上座に座ります。続いて、親族の年長者が座ります。次の席以降は、親族以外の参列者に座って頂き、残りの親族は末席に座ってもらいましょう。
お坊さんが出席されない場合や、親族のみの場合には会話がしやすいように着席してもらって問題ありません。配膳のお手伝いを行ったり、飲み物を注ぐなど、よく動く人は下座や出入口に近い席に座ると動きやすいです。また、小さなお子さんと出席する場合も出入口に近い場所に座って頂くと良いでしょう。地域やその家の決まりがある場合には、その慣習に従って席順を決めて下さい。
お斎で渡す返礼品(引き出物)について
返礼品を渡すタイミング
お斎に参列して頂いた方に、返礼品(引き出物)を配布します。お開きの時間が近づいたら、返礼品を参加者の席の横に置いていきます。まず、最初にお坊さんの席から置いていくのがマナーです。法事の前にお坊さんにお布施をお渡しする場合は、引き出物と合わせて事前にお渡ししても問題ありません。お斎の参加者が大人数の場合は、あらかじめ各席にセッティングしておいても失礼にはあたりません。
返礼品
法事の返礼品は、いつまでも悲しみが残らないようにという意味から、食べてしまうとなくなるお菓子やお茶や海苔を選ばれる方が多いです。また、日常よく使う洗剤やタオルなどの実用品も良いでしょう。菓子は、日持ちするものであれば和菓子でも洋菓子でもどちらでもかまいません。ご当地の銘菓や故人が好きだったものを選ぶと故人を偲ぶよい手土産となります。
キッチン用品や入浴に関するものも、哀しみをきれいに洗い流すという意味で良いとされています。ただし持ち運ぶことを考えて、重量のある洗剤を選ぶのであれば軽量になるようにコンパクトな物を選ぶと良いでしょう。遠方から来られている方や、ご高齢の方もいらっしゃるので持ち運びが難しいものや重いものは避けましょう。軽くてかさばらないものや、小さくて日持ちするものが望ましいです。自分の好きなものを選ぶことができて比較的軽量なことから、カタログギフトを利用される方もいらっしゃいます。
ただし、高齢の方の中には選ぶことが難しく、仕組みがよくわからない方もいらっしゃるので、参加者に高齢の方が多い場合には食べ物等のお品物が良いでしょう。返礼品で一番人気が高い物はカタログギフト、次にお菓子、次に高級タオルとなっています。お斎参加者への返礼品の金額相場は、2,000~5,000円です。
返礼品としてふさわしくない物
返礼品として、ふさわしくないものを贈ってしまうと失礼になります。昆布や鰹節のような結婚の結納品となるものは縁起物のため、お斎の返礼品としてはふさわしくありません。昆布は「よろこんぶ」とされていたり、子孫繁栄の意味があったりするのでお斎の返礼品としては適していません。また、日本酒やビールなどの詰め合わせは、お祝い事を連想させるものであることや、持ち運びにくいという理由から、避けた方が無難です。
地域によってはお酒を返礼品とするところもあるので、確認するとよいでしょう。生ものや冷凍品は、衛生上返礼品としてはあまり適していません。また金券はもらって嬉しいものではありますが、あからさまに金額がわかってしまうため、返礼品としては避けた方が無難です。
夫婦や家族連れで参列した方への返礼品
お斎の食事は、参加者の人数分用意しましょう。しかし、返礼品はご夫婦で参加されてもご家族で参加されても、一家族に1個お渡ししましょう。
ご夫婦で参列された方で、別々にお供えを頂いた場合には、返礼品もご夫婦別々にお渡しします。
お斎の服装
お斎は法要の後に行われるので、そのままの服装で参加することがほとんどです。法要後に平服に着替えても問題ありません。男性は、地味な色合いのスーツを着用していることが多いと思いますが、上着を脱いだりネクタイを外したりなど多少気崩しても失礼になりません。女性は、地味な色合いのワンピースやアンサンブル、パンツスーツを着用して参加します。スーツの上着を脱いでも問題はありません。カジュアルすぎる服装は避ける必要がありますが、食事をしながら会話をする場なので堅苦しい服装である必要はありません。ただし、格式が高い料亭などで行われる場合には、法要の服装のまま崩さないようにしましょう。着替える場合は、他の参加者の人とあまり差がないようにすると良いでしょう。
お斎に参加できない場合
法要の後のお斎を欠席する場合は、できるだけ早く施主に伝えましょう。施主は、食事や返礼品の準備をする都合があるので、早めに伝えなければ迷惑をかけてしまう可能性あります。お坊さんがお斎を欠席する場合は、施主は食事の代わりにお膳料を渡しましょう。遠くから来て頂く場合は、更にお車代も包むことがマナーとなっていますので、忘れずにお渡ししましょう。
お斎を省略する場合
お斎は施主からお坊さんや参列者に対する感謝の気持ちを表すための席です。しかし、様々な理由からお斎を省略するというケースは少なくありません。法要後の食事は必ずしも必要というわけではありません。地域によってはお斎を行わないことが失礼にあたる場合もあるので、ご近所の方や親戚に確認すると安心です。やむを得ずお斎を省略する場合には、法要の案内時にお斎がないことを明確に伝えましょう。
「法事後のお席は設けておりません」「お席は設けておりませんが、ささやかながら折詰を用意しております」などと一文を入れておくとよいでしょう。お斎の場を設けない場合は、お斎に相当する予算で少し豪華な折詰弁当を用意して持ち帰ってもらうのが一般的です。
法事の後に行われるお斎についてご紹介しました。お斎は、法事に参列してくれたお坊さんや親族に対する感謝の気持ちと、故人を偲ぶ気持ちを表すものです。これから葬儀の準備をされる方は、葬儀に関するあらゆる相談ができる葬儀社に事前に確認をしておきましょう。インターネットで情報は集められますが、実際に電話や対面で相談することで、具体的な準備の進め方がイメージできます。事前に相談しておくと、以下のことが把握できます。
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