葬儀が終わった後の事
2021/04/20
法要とは?意外と知らない法要の種類とお布施の相場
故人を供養するために行う四十九日や一周忌などの法要に参列した経験がある方はたくさんいらっしゃることでしょう。しかし、自分が喪主となって準備をすることに慣れている方はそう多くはありません。法要を行う前にはどのような準備が必要なのでしょうか。法要の種類や法事との違い、お布施の金額の相場、服装マナーについて詳しく紹介します。
目次
■法事と法要その違い
・法要とは
・法事とは
・法事と法要の違い
■法要の種類
・忌日法要
・年忌法要
■法事の準備の流れについて
・法事の準備
・お布施の準備
・お布施の書き方と渡すタイミング
・法事当日の流れ
■法事の際の服装マナーについて
・男性の服装
・女性の服装
・子供の服装
・平服でお越し下さいと言われた場合の服装
法事と法要その違い
法要とは
法要とは、亡くなった方の冥福を祈って供養をする仏教の儀式です。法要の際は、僧侶にお経をあげてもらいます。法要は、仏教において個人が極楽浄土に往生するために行われるもので、大事な行事の1つです。宗教や宗派によって考え方は異なりますが、浄土真宗では亡くなったと同時に極楽浄土へと導かれると考えられています。そのため、浄土真宗においての法要は、故人を偲び遺族が仏の教えを聞く場として行われます。
法事とは
法事とは、僧侶にお経をあげてもらう法要とその後の会食までを含めたものです。法事は仏教に関する事柄や仏の教えを広めることを意味していましたが、今では死者の追善供養を行う仏事全般を指すようになりました。
法事と法要の違い
法要は宗教的な儀式だけを意味し、法事はその後の会食までを含んだ行事のことです。つまり法要は法事の一部と言えます。
法要の種類
法要には大きく分けて2つの種類があります。亡くなった日から日数を数えて行う「忌日法要(きじつ・きびほうよう)」と、年単位で行う「年忌法要(ねんきほうよう)」です。
忌日法要
亡くなった日から七日ごとに四十九日まで執り行う法要が忌日法要です。初七日(しょなのか)・二七日(ふたなのか)・三七日(みなのか)・四七日(よなのか)・五日(いつなのか)・六七日(むなのか)・七七日(なななのか)の計7回です。
古代インドの考えでは、人は亡くなってから次の生を受けるまでの間、この世とあの世の間をさまようとされていました。この期間のことを中陰と呼び、仏教ではこの期間を「死者があの世へ旅立つための準備期間」と捉えています。この期間に、残された家族は故人が極楽へ行けるように七日ごとに供養(法要)を行います。
この法要は、四十九日まで続き、定期的な法要をすることで故人が極楽へ行けるようになると考えられています。浄土真宗では故人は死後すぐに極楽へ行けると考えられているので、初七日法要は故人が極楽へ行けるようにするためではなく、信仰を深めて故人への感謝の気持ちを伝えるために行うものとされています。
<忌日法要の種類>
●初七日法要
人が亡くなってから最初に行う法要が「初めての七日目」である初七日法要です。原則的には死後七日目に法要を行いますが、近年は参列者の予定を考慮して、葬儀当日に行うことが多くなっています。これを「繰り上げ初七日法要」と言います。初七日の方法では、遺族や親族が集まり僧侶にお経を読んでもらいます。
●四十九日
命日から七日ごとに行われる忌日法要の四十九日目に行われる法要が四十九日法要です。四十九日は七七日(なななのか・なななぬか)や忌明けなどと呼ばれることもあります。四十九日では複数の儀式が行われます。
●納骨法要
一般的に火葬後の遺骨は骨壺に納め、仏壇や祭壇に置いて供養します。納骨法要は、四十九日法要の日に実施されます。地域によって異なりますが、納骨は三回忌までに行われます。
●開眼法要
開眼法要とは、仏壇や位牌を新しく購入した際、またはお墓を新たに建てた際に行われる法要です。新しく用意した仏壇やお墓に個人の魂をいれるための儀式です。開眼供養までに、没年月日・戒名・俗名・享年(数え年)などが記された本位牌を用意しておきましょう。
●お斎(おとき)
お斎とは、法事終了後に行われる会食のことです。僧侶や参列者と共に食事をしながら故人を偲びます。またお斎には参列者や僧侶に対する感謝の気持ちを表すものでもあります。
年忌法要
年忌法要とは、毎年めぐってくる故人の命日に合わせて行われる法要です。「一周忌」をはじめ、「三回忌」「七回忌」「十三回忌」「十七回忌」「二十三回忌」「二十七回忌」「三十三回忌」があります。その他に「五十回忌」「百回忌」が開かれることもありますが、三十三回忌で弔い上げとするのが一般的です。
●一周忌
一周忌とは、故人が亡くなってから満1年目に行われる法要です。一周忌は、僧侶に読経をしてもらいその後に会食をします。一周忌の法要は、家族や親族、親しかった友人も参加します。一周忌までが喪に服す期間で、一周忌を迎えると喪が明けるとされています。一周忌以降の法要は仏様への感謝の気持ちを伝え、故人をより良い世界へと導いてもらうために行われます。
●三回忌
三回忌は、故人が亡くなってから満2年後の命日に行われる法要です。一周忌と同様に僧侶による読経の後に会食を行います。また、家族や親戚、親しかった友人を呼んで大きな規模で行います。
●七回忌
七回忌は、故人が亡くなってから満6年後の命日に行われる法要です。七回忌以降は遺族や親族のみで行い、一周忌や三回忌と比較すると小規模で行われることが多くなっています。
●十三回忌
十三回忌は、故人が亡くなってから満12年目に行われます。遺族のみで供養されます。
●十七回忌
十七回忌は、故人が亡くなってから満16年目に行われます。遺族のみで供養されます。
●二十三回忌
二十三回忌は、故人が亡くなってから満22年目に行われます。遺族のみで供養されます。
●二十七回忌
二十七回忌は、故人が亡くなってから満26年目に行われます。遺族のみで供養されます。
●三十三回忌
三十三回忌は、故人が亡くなってから満32年目に行われます。遺族のみで供養されます。多くの場合、三十三回忌をもって最終の年忌にします。最後の年忌のことを「弔い上げ(とむらいあげ)」や「門切り(といきり)」と呼びます。三十三回忌に寄進や永代供養することが多くなっています。
法事の準備の流れについて
法事の準備
法事の準備は、二カ月程度前からはじめる必要があります。
法事二カ月前の準備
●日程を決める
まず、法事の日程を決めます。法事は、祥月命日に行いますが平日に親族との予定を合わせることは難しい方が多いので、祥月命日よりも前の土日に行うことが多くなっています。
●僧侶へ依頼する
法事の日程が決まったら、僧侶に連絡をして読経の依頼をします。菩提寺がある場合には、先に僧侶の都合を聞いて日程を決めるとよいでしょう。
●招待する人を決める
法事に招待する人を決めます。家族や親族、親しかった人をリストアップします。最終的な人数は、案内状の返信を確認して決定します。
●場所を決める
法事の場所は、自宅・寺院・法要会場・ホテルなどがあります。会食を行う場所の予約も忘れずに行いましょう。会食を行う場所には、お祝いの意味がある食材を避けてもらうためにも、法要であることを忘れずに伝えて下さい。
法事の一カ月の準備
●案内状の発送
法事の日時、場所が決まったら案内状を発送します。返信用はがきを使用し出欠の連絡をしてもらいましょう。往復はがきを使用してもよいでしょう。親族のみで行う場合は、電話連絡でも構いません。返信ハガキが揃ったら、再度会食会場に人数連絡を行いましょう。
●引き出物の手配
法要のお返しである引き出物の準備をします。品物は、食品や生活実用品などの消耗品を選ぶようにして下さい。荷物にならないように、軽くてかさばらない物がおすすめです。現在は自分で必要な物を選べるカタログギフトの人気も高まっています。不祝儀専用カタログの種類は豊富で、予算としては一人当たり2千円~5千円程度です。
●会食会場に人数を連絡
返信ハガキが戻ってきたら、会食会場に人数連絡をします。法要会場やお墓から会食会場まで離れている場合は、移動手段の手配をしなければなりません。会食会場がバスなどで送迎をしてくれる場合があるので、問い合わせるとよいでしょう。
●卒塔婆の手配
法要の際に卒塔婆を立てる場合には、一ヵ月前のタイミングで寺院に連絡をします。
法事前日の準備
法事の前日は、きちんと準備が整っているか確認を行います。お布施、供物、花、位牌、遺影、参列者の人数と引き出物の最終確認を行いましょう。会食人数の変更があったら、会場に連絡をしておきましょう。
お布施の準備
法事の場合
法事の際は、僧侶へのお礼の気持ちを込めてお金をお包みして渡します。法事の時にお渡しするお布施の金額相場は、3万円~5万円です。納骨やお墓の開眼を行う場合は、更にそれぞれ1万円~5万円包みます。地域や宗派によって相場は異なりますので、地域の習慣や菩提寺に確認して下さい。
四十九日の法要と納骨法要を一緒に行う場合
四十九日の法要と納骨法要を一緒に行う場合には、お布施は1つの袋に一緒に包んでも問題ありません。四十九日と納骨法要の金額を合わせて6万円~10万円を包みます。更に同時に開眼法要を行う場合には、合わせて10万円~15万円を包みます。
年忌法要の場合
年忌法要のお布施の金額は、一周忌は3万円~5万円包みます。その後、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、五十回忌は、1万円~5万円を包みます。三十三回忌もしくは五十回忌の法要をもって「弔い上げ(とむらいあげ)」として、それ以後の法要を行わないところが多くなっています。
弔い上げをする場合には、お布施の相場は5万円~10万円になります。お盆の時に僧侶に自宅に来ていただき読経してもらう場合は、お布施は5千円~2万円程度包むことが一般的です。
その他にかかる費用
●お車代
法要を行う場所とお斎の場所が異なる場合は、お車代として5千円~1万円ほど包みます。施主やご家族の方が送迎する場合は、必要ありません。
●お膳料
僧侶が法要後の会食を欠席される場合は、会食代として5千円~1万円ほど包みます。
お布施の書き方と渡すタイミング
お布施の書き方
お布施は奉書紙(ほうしょし)と呼ばれる和紙に包むのですが、封筒でも問題ありません。お布施の書き方は、封筒の上側真ん中に「御布施」と記載します。下に筆で苗字またはフルネームを記載しますが、苗字下に家をつけて〇〇家と書く場合もあります。文字は黒の毛筆で書きましょう。金額は記載する必要はありません。中に入れるお札は、新札でも古いお札でもどちらでも構いません。汚れがひどいシワがついたお札は避けて下さい。
お布施を渡すタイミング
お布施を渡すタイミングは特に決まりがあるわけではありませんが、読経後にお渡しすることが多いようです。
お布施を渡す際には、直接手渡しするのではなく袱紗(ふくさ)の上に置いて渡すのが常識です。僧侶から見て正面になるように渡して下さい。
法事当日の流れ
法事当日の流れは、次のようになります。
参列者が席に着く・僧侶入場
施主、親族が会場の外に立って、参列者をお迎えします。参列者は遺族の席を空けた後ろから、故人との関係が深い順番で座ります。中央真ん中の僧侶の真後ろは、施主席です。時間になったら施主、親族も着席します。その後、僧侶は仏前中央に着席します。
僧侶による読経と焼香
僧侶による読経が行われると、参列者の焼香がはじまります。時間は参列者の人数によりますが、一般的には1時間程度です。焼香が終わると僧侶の法話があります。僧侶が退場し、法要はこれで終了です。
会食
会食がある場合には、会食の会場へ移動します。会食の開始時に、施主から挨拶をします。参列者の中から献杯の発声をしてもらい、故人を思い出しながら会食をします。 会食が終わったら、参列者に引き出物を渡して終了です。
法事の際の服装マナーについて
法事に参列する時の服装は、三回忌までは喪服を着用することがマナーと言われています。
男性の服装
準喪服または略喪服を着用します。白い無地のワイシャツ、光沢のない黒無地のネクタイ、靴下、靴、ベルトは黒色を着用しましょう。髪形は清潔感があるように整えて下さい。
女性の服装
黒いフォーマルスーツやワンピースを着用します。スカートをはく場合は、膝が隠れる丈の物を選びましょう。ストッキングは薄手の黒色を着用します。靴は黒いシンプルなパンプスでヒールが高いのは、好ましくありません。アクセサリーは派手な物を避けます。髪の毛が長い場合は、黒や茶色などの派手ではないヘアゴムでまとめ、清潔感があるように整えます。メイクはナチュラルにし、ネイルは落としましょう。
子供の服装
子供は、制服がある場合は制服を着用します。派手な色は避けて、落ち着いた色合いの服装であれば問題ありません。
平服でお越し下さいと言われた場合の服装
平服と言っても普段着で行くことは、マナー違反です。男性の場合は、落ち着いた色のスーツに白いワイシャツ、ダークカラーのネクタイを着用します。靴下やベルトは黒が好ましいです。女性の場合は、黒や紺などのダークカラーのアンサンブルやワンピースを着用します。また露出は控えて、アクセサリーも派手な物は避けて下さい。子供は、落ち着いた色合いの服装で行きましょう。
法要は、僧侶にお経をあげてもらい亡くなった方の冥福を祈る儀式です。亡くなった日から日数を数えて行う忌日法要と年単位で行う年忌法要があります。いずれも、故人が極楽浄土へ行けるように遺族が行う供養のことです。公益社では、葬儀の後の法要に関するサポートも行っています。 葬儀後の法要について公益社に相談する
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