葬儀
2021/08/23
安置室とは?亡くなってからご遺体安置までの流れを紹介
人が亡くなって、葬儀や火葬が執り行われるまでの間、ご遺体を安置する場所が必要です。亡くなった後ご遺体を自宅に搬送する、葬儀場に運び安置する、また安置室を利用するという選択肢もあります。故人のご遺体はいつ、どのタイミングでどのようにして安置するのでしょうか。万が一のことがあった時に、慌てることのないよう遺体の安置について事前に把握しておくと安心です。本記事では、亡くなってから遺体安置までの流れ、安置室の種類や料金についてご紹介します。
【目次】
■安置室とは
■安置室の種類
■遺体の安置にかかる費用
■遺体の安置期間
■亡くなってから行う4つの儀式
■遺体の搬送の段取りについて
■遺体の安置の方法
安置室とは?
安置室の意味
安置室とは、故人の遺体を安全に保管する場所です。自宅や病院、老人ホームなどの施設で息を引き取って死亡の診断を受けた後、葬儀が執り行われるまでの期間、または火葬を行うまでの間、遺体を安置しなければなりません。自宅で息を引き取られた場合は、ご遺体はそのまま自宅で安置することが可能でございます。
病院や老人ホームなどの施設で亡くなった場合や、なんらかの事情で自宅に帰宅することができない場合には、遺体を安置室に運び、葬儀・火葬までの期間安置します。日本の法律では、死亡診断を受けてから24時間は火葬することが禁止されています。つまり、自宅に安置する場合を除いては、必ず安置室を利用することになります。
ほとんどの場合、死亡が確認されるとすぐに病院や施設から出なければなりません。悲しみの中にありながら、数時間の間に、安置場所を探して遺体を搬送し安置しなければならないため、可能な限り、ご遺体を安置する場所を事前に決めておくと良いでしょう。
安置室と霊安室の違い
安置室と似た言葉で「霊安室」があります。多くの病院では、亡くなった方を病院内の「霊安室」に運びます。霊安室は、遺体を「安置室」へ移動するまでの間、一時的に利用する場所です。霊安室は一時的に遺体を保管するための場所であり、一般的には2~3時間程度利用することができます。一方、安置室は希望する期間利用することができるという点で異なります。
安置室の種類
遺体安置を行う場所には、「自宅」「葬儀社や斎場の安置室」などがあります。それぞれの特徴について紹介します。
自宅
自宅で亡くなった方の多くは、そのまま自宅に安置されますが、病院や老人ホームなどの施設で亡くなった場合であっても自宅で安置するケースがあります。故人をご自宅に帰らせてあげたいという遺族の想いや、故人からの生前の希望により、自宅に安置し通夜は自宅で行って、葬儀のタイミングで斎場に搬送するご遺族も多いようです。
その際、空調が効く部屋に安置するのが安心です。ご遺体は火葬までの期間、腐敗を防ぐためにドライアイスで冷やしますので、夏場は冷房で室温を調整することでご遺体の腐敗を遅らせます。自宅に安置するメリットとして、故人とゆっくり過ごすことができます。しかし、住宅事情によっては自宅で安置することが難しい場合があります。エレベーター設備の関係でご遺体をご自宅に搬送できないといった事例もありますので、事前に管理会社などに確認しておきましょう。
また、ご遺体を自宅に安置するためにはご遺体の管理や葬儀に向けた準備も必要です。ドライアイスを使ったご遺体の保全など一般の人が行うことは困難ですので、葬儀社に相談することをおすすめします。また、訃報を聞いて駆けつけてくださる弔問客を自宅にお迎えすることになります。遺体を安置する部屋以外にも、掃除やお迎えする準備を整えておくとよいでしょう。
葬儀社や斎場の安置室
以前は、ご遺体を自宅に安置することがほとんどで、近所の方と協力して葬儀の準備を行っていました。しかし近年では、ご近所付き合いが乏しくなっていることや核家族化により、負担を軽減するために葬儀社や斎場の安置室を利用することが一般的になっています。また、マンションやアパートに住む人が増えたなどの住宅事情も、葬儀社や斎場の安置室を利用するケースが増加した理由です。
安置所によっては面会や弔問の時間が限られている場合がございますが、故人を亡くし深い悲しみの中で、不慣れな遺体の安置準備をご遺族が行うよりも、プロである葬儀社や斎場のスタッフにお任せすることで、負担を軽減することができます。
遺体の安置にかかる費用
自宅に安置した場合
自宅に遺体を安置した場合にかかる費用の目安は、約2~10万円です。その主な内訳は次の通りになります。
●ドライアイス費…自宅に遺体を安置する際には、遺体の腐敗を防ぐためのドライアイスが必要です。ドライアイスの費用は1日で1万円程かかるので、日数が増えると費用もその分多くかかります。夏場や冬場など外気温によってもドライアイスの消費量に変化があります。
●お供え物の費用…枕飾りなどのお供え物の費用相場は、約1~3万円程度。必要に応じて準備しましょう。
●移動費…遺体を移動させるために、移動費がかかります。移動費の相場は10kmで約2万円程度。移動距離が長くなるほど移動費用が高くなります。自宅に安置する場合は、他の安置方法と比べて、安置室の使用料がかからない分、費用を抑えることができます。
葬儀社や斎場の安置室を利用した場合
葬儀社や斎場の安置室に安置した場合にかかる費用の目安は、約3~15万円位です。安置施設の使用料が1日5千円~3万円前後かかります。公営の場合には、施設使用料が1日目は無料で2日目以降は2~3千円程度と安い場合があります。その場合、ドライアイス費が別途1日1~2万円程度かかることがあるので、事前に確認しておきましょう。
遺体の安置期間
遺体の安置期間は、一般的に2~3日間です。法律で死亡確認後、24時間以内は火葬できないと定められているため、最低でも24時間は安置する必要があります。加えて、葬儀場や火葬場の混雑、友引や火葬場の休日と重なると、安置期間が長くなることがあります。遺体の安置期間が長くなると、ドライアイス代や安置施設の使用料などが日数の分だけかかります。
亡くなってから行う4つの儀式
死亡確認後に行われる、4つの儀式の意味と流れをご説明します。
①末期の水(まつごのみず)
医師より死亡が確認されると、臨終に立ち会った看護師、家族や近親者が枕元によって「末期の水」という儀式を行います。末期の水とは、故人の口に水を含ませる儀式のことで「死に水」とも言います。末期の水には、「故人が生き返ってくるように」「死後の世界で喉が渇いて苦しむことがないように」という2つの意味があります。仏教に由来する儀式ですが、仏教以外の宗教・宗派でも行われることがあります。病院での儀式が難しい場合は、安置後や納棺の際に行う場合もございます。
末期の水のやり方は、新しい筆もしくは割りばしの先に脱脂綿を巻いて糸で結んだものに水を浸し、故人の唇を優しく湿らせます。喪主が最初に行った後、血縁の近い順に行うのが一般的です。
②清拭(せいしき)・湯灌(ゆかん)
清拭(せいしき)とは、ガーゼや脱脂綿にアルコールを浸し、遺体の露出している部分を拭くことを言います。病院で亡くなった方のほとんどは、故人の身体を綺麗にする清拭が行われます。また、できるだけ綺麗な姿で見送るために湯灌(ゆかん)が行われます。湯灌(ゆかん)とは、故人の身体や髪を洗って清める儀式のことです。湯灌を行う理由は2つあります。1つは、納棺までの間に腐敗が進行することを防ぐためです。もう1つは、現世における悩みや煩悩も綺麗に洗い流して、故人が無事に成仏できるようにという意味が込められています。清拭も湯灌も、故人を偲ぶ大切な儀式なのです。
③着替え
清拭や湯灌を行って綺麗になったら、故人を新しい衣装に着替えさせます。死に装束と呼ばれる白い浴衣を着せることが一般的ですが、近年、故人が好きだった洋服を着せることが増えてきました。
④死化粧
生前の姿に少しでも近づけて、葬儀に参列してくれた方に安らかなお顔を見ていただくために、死化粧を行います。昔は女性だけの儀式でしたが、男性も眉毛を整えたり薄化粧をしたりするケースが増えています。ご希望に応じてですが、化粧はせず、自然のお姿のまま旅立たれる方もいらっしゃいます。
また死化粧は葬儀社や、病院または施設の担当の方が行いますが、希望すれば故人が使っていた化粧道具を使って化粧してもらえる場合がありますので、相談してみましょう。また、ご遺族も化粧に携わることができる場合もあります。担当の方に訪ねてみるとよいでしょう。
その他(エンバーミング)
死亡確認がされると「末期の水」「清拭(せいしき)・湯灌(ゆかん)」「着替え」「死化粧」の4つの儀式が行われます。更に希望するとエンバーミング処置を行うことができます。エンバーミングとは、遺体衛生保全処置と言われる処置です。日本でも処置をされる方が増加傾向にありますが、アメリカでは90%以上の遺体にエンバーミングが施されます。
感染症を予防できるだけでなく、元気だったころの生前の姿に近づけることができるため、日本でも需要が増えています。
公益社では、国際レベルの資格を必要とする「エンバーミング」の技術を高水準で提供できる体制で自社管理しています。一般社団法人IFSA(日本遺体衛生保全協会)の会員で、エンバーミングの実績も多数あり、相談者の約5割の方にご依頼いただいております。 エンバーミングについてはこちらもご覧ください。
遺体の搬送の段取りについて
身体のケアが終わったら、葬儀または火葬までの間、遺体を安置するため自宅や安置室などの安置場所に搬送します。
搬送先をどこにするかを決める
故人を自宅に帰宅させてあげたい、自宅で故人とゆっくり最後のお別れをしたいという方は、自宅に搬送し安置することをおすすめします。ただし、密葬や家族葬など、近しい人だけで見送りたいと考えている場合、自宅に搬送することで、近所の方に知られてしまう可能性がありますので注意が必要です。
近年は、自宅の掃除や弔問客が訪れるなどご遺族の負担を軽減するため、葬儀社や斎場の安置室を利用することが一般的となっています。公益社のセレモニーホールは、ほぼすべての会館に個室の安置室を設けています。安置のための準備や管理、衛生面への配慮など、すべてプロのスタッフが行いますので、故人との最後の時間を安心して過ごすことができます。
遺体搬送車の手配をする
ご遺体の安置場所が決定したら、搬送車を手配します。遺体の搬送は、自家用車で行うことも可能ですが、ご遺体の保全や安全面、衛生面などの観点から、葬儀社の寝台車を利用することをおすすめします。葬儀社に連絡し、お迎えに行く病院などの場所と搬送先と伝えましょう。まだ葬儀社を決めていない場合は、取り急ぎ病院と提携する葬儀社に搬送のみを依頼することもできます。遺体搬送のみをお願いする場合は、葬儀については未定であることを明確に伝えておきましょう。
遺体の安置場所に困った場合の対処法
病院などで亡くなった場合、死亡確認を行った後、速やかに遺体を安置場所へ搬送しなければなりません。急な不幸であった場合はどうしたらよいのか困ってしまうことがあるでしょう。葬儀社に依頼すれば、24時間365日専門のスタッフが状況を伺って適切な対応をしてくれます。
死亡診断書を受け取る
死亡診断書は、市区町村に死亡届を提出する際に必ず提出する重要な書類です。また、死亡診断書は、火葬・埋葬の許可をもらうためにも必要です。更に、保険金や遺族年金を請求する際にも、必要となる場合があります。様々な手続きで必要になるので、死亡診断書は複数枚書いてもらうか、コピーを取っておくと安心です。
近親者・菩提寺に連絡する
遺体を安置したら、葬儀の準備に取り掛かります。近親者や菩提寺に連絡をしましょう。遺体を搬送する前に連絡すると、病院に駆けつけてしまうことがあるため、落ち着いた段階で連絡するとよいでしょう。
●近親者への連絡…近親者へ死去の連絡をする時は、遺体の安置所にお越しになるか確認をしましょう。
●菩提寺への連絡…先祖代々のお墓がある菩提寺に連絡をするタイミングも、遺体の安置をして落ち着いた時点で問題ありません。寺院によっては檀家が亡くなった時に、菩提寺の僧侶が通夜よりも先に「枕経(まくらぎょう)」を勤めるケースがあります。菩提寺に連絡をする時に、通夜や葬儀の日時についての相談も行いましょう。ご住職の予定を伺って葬儀が可能な日時を決定します。
遺体の安置の方法
仏式の場合
仏教の場合、遺体は北枕か西枕にします。薄い敷布団に新しいシーツをかせて、薄い掛け布団を上下逆にしてかけます。自宅に安置する場合、ベッドに安置することもあります。
<安置方法>
・仰向けで安置し、顔に布をかぶせます。布団の上に魔除けの目的で、刃物を置くこともあります。
・遺体の枕元に、枕飾りを設置します。※枕飾りとは、故人の供養のための簡易的な祭壇です。
・白木の小台の上に、香炉、燭台(ろうそく)、鈴、お花立、お水、一膳飯(枕飯)や御団子をお供えします。
神式の場合
神式の場合、遺体は西枕か東枕にして、顔に布をかぶせます。仏式と同様に、枕飾りを設置します。小台には、榊、水、塩、洗米をお供えします。神式の場合も宗教や地域によって異なることがあります。
キリスト式の場合
キリスト教の場合、枕の向きにルールはありません。神父または牧師にお祈りをしてもらってから遺体を安置します。キリスト式の場合は、枕飾りは設置しません。テーブルの上に白い布をかけて、十字架、ろうそく、聖書、生花を置きます。地域によって異なることがありますので、お付き合いのある神父または牧師にお伺いするのがよいでしょう。
病院でお亡くなりになられた場合は長時間の安置ができないことが多くあります。
事前にどこへ移動するかを決めておくことをおすすめいたします。
直接ご自宅に帰れない場合、公益社会館には病院から直接向かえる安置室がございますので、ご安心ください。 亡くなってからの流れについてはこちらをご覧ください。
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