葬儀
マナー
2023/02/27
香典袋の選び方、書き方について
香典を用意する際に、袋の種類がたくさんあるため、どれを選べばよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。また、香典の相場やお札の入れ方がわからないという方もいらっしゃるでしょう。
香典にはさまざまなしきたりやルールがあるため、曖昧な知識のままで香典を用意し、失礼な振る舞いをしてしまわないよう、事前に把握しておくことが大切です。本記事では、香典の入れ方や書き方、香典袋の種類、渡すタイミングなど、香典に関する知識を詳しく解説します。
【目次】
■ 法事や葬儀の「香典」とは
■ 香典袋の種類と選び方
■ 香典袋へのお札の入れ方
■ 香典袋の書き方
■ 香典袋へ入れるお札について
■ 香典を渡す際のポイント
法事や葬儀の「香典」とは
香典は、亡くなった方に対するお悔やみの気持ちを込めてお供えする金品のことを指します。
かつての葬儀では、遺族が一晩中ご遺体のそばに寄り添う「寝ずの番」をするしきたりがあり、弔問客がお香やろうそくを持参していました。また、近隣の方が葬儀を手伝うしきたりのある地域では、炊き出し用の材料を持ち寄ることもありました。
しかし、時代の変化ともにこうした風習は薄れ、その代わりとなったのが「香典袋にお金を包む」現代の香典です。葬儀には費用がかかるため、喪家の負担を支え合う相互扶助の意味も、香典には含まれています。
香典袋の種類と選び方
香典袋にはいくつかの種類があり、宗教や宗派、地域などによって異なるため注意が必要です。ここでは、香典袋の種類や地域、宗教・宗派による違いについて解説します。
香典袋の種類
香典袋には、主に以下の7種類があります。• 無地に水引が印刷されたタイプ
• 蓮の絵柄が印刷されたタイプ
• 十字架が印刷されたタイプ
• 黒白の水引
• 青白の水引
• 黄白の水引
• 双銀の水引
宗教や宗派を選ばずに使える香典袋として挙げられるのが、無地に水引が印刷されたタイプです。一方、蓮の絵が印刷されたタイプは仏教のみ、十字架が印刷されたタイプはキリスト教のみで使用します。
水引は「印刷されたタイプ」と「実際に水引が結ばれているタイプ」の袋があるため注意しましょう。水引が印刷されたタイプは、香典の金額が少ないときに使用するのが一般的です。一方、高額の香典を包む際は、本物の水引が使用された香典袋を使用するのがよいでしょう。
水引の色にも意味があり、通夜や葬儀、法要の際に香典を包む場合は、主に黒白の水引が使われます。黄白の水引は、主に関西圏で使われる香典袋です。一部地域では青白の水引も使われていましたが、近年ではあまり使われていないようです。
宗派別の香典袋対応表
香典袋は宗派によっても異なります。一般的な宗派別の対応は、以下のとおりです。仏式
・黒白の水引(高額の香典を包む場合は双銀でも可)・蓮が印刷されたタイプ
・関西圏では黄白の水引を使用することもあり
神式
・黒白の水引もしくは双銀の水引キリスト教(プロテスタント)
・水引なしの無地の白封筒・十字架もしくは百合が印刷されたタイプ
キリスト教(カトリック)
・水引なしの無地の白封筒・十字架もしくは百合が印刷されたタイプ
宗派がわからない場合
・黒白の水引・無地で水引が印刷されたタイプ
香典袋へのお札の入れ方
突然の訃報を受けると、香典を準備する際に慌ててしまいます。正しく用意できるように、香典の入れ方についても把握しておくと良いでしょう。香典袋は中袋の有無によってタイプが分かれ、お金の入れ方も異なるため注意が必要です。
以下、中袋の有無も含めて詳しく解説します。
お札の上下や裏表を確認して入れる
香典袋へ入れる際には、お札の上下や裏表を確認しましょう。お札は肖像画が描かれている面が表となります。また、お札を表に向けて縦においた場合に、数字が左側に書かれているほうが上となります。中袋がある場合の香典の入れ方
中袋がある香典袋の場合、お札を中袋に入れてから「たとう折り」の香典袋で包みます。お札は、中袋の表とお札の裏面が一致するように入れましょう。お札の裏面を見せることで、肖像画を伏せられ、故人に対するお悔やみの気持ちを表すこととなります。また、お札の上下にも注意しなければなりません。一般的には、中袋の底にお札の下がくるように入れます。しかし、地域によってはお札の上を底に合わせるケースもあるので、わからないときは葬儀社やお寺に確認しておくのが安心です。
中袋が奉書紙になっている場合は、奉書紙の裏表にも注意が必要です。奉書紙はザラザラした面が裏で、裏面にお札をおきます。このときも、お札の肖像画を伏せる状態にしましょう。そして、下→左→右→上の順番で折りたたみます。
中袋がない場合の香典の入れ方
中袋がない香典袋の場合は、直接お札を入れます。中袋がある場合と同様に、お札の裏面が香典袋の表面と一致するように入れましょう。上下に関しては地域差があるため、事前確認が必要です。また、お札を複数枚入れる際は、お札の向きにばらつきがないように揃えましょう。香典袋の書き方
香典を用意する際に、使用する筆記用具や名前の書き方にも作法があります。
香典の書き方についてより詳しい内容を知りたい方は「香典の正しい書き方とは?恥をかかないための基本マナー」をご参照ください。
香典袋を書くときは薄墨が基本である
香典袋に書く文字は、基本的に薄墨の筆ペンを使いましょう。薄墨を使う理由は、故人との別れに涙が溢れ、墨が薄くなってしまったことを表すことからきています。ご年配の方には、自筆で書いたほうが好まれる傾向があるため、筆ペンを使用して書いたほうが無難です。一方、中袋に関しては、遺族が差出人の情報を確認するために書く項目であるため、濃い墨の筆ペンやボールペンなどを使って書いても問題ありません。
香典袋の表の書き方
仏式の場合、香典袋の表には以下の文字を記載するのが一般的です。・御霊前……四十九日を迎えるまで
・御仏前……四十九日以降
ただし、浄土真宗は「御霊前」ではなく「御仏前」と書きます。浄土真宗では亡くなったらすぐに仏様になるという考えに基づく作法です。浄土真宗かどうかわからない場合は「御香典」と記入しておくといいでしょう。
一方、神道やキリスト教では香典袋の表に以下の文字を記載します。
・神道……御玉串料・御榊料・御神饌料
・キリスト教……御花料
このように、香典袋の表の書き方は宗教や宗派によって異なります。宗教や宗派がわからない場合は、葬儀社に相談すると安心でしょう。
香典袋の姓名はフルネームで記載する
香典袋には、自分の名前をフルネームで記入するのが一般的です。個人で香典を渡す場合は、フルネームだけで問題ありませんが、会社として用意した香典には、会社名や役職も書きましょう。古くから付き合いがあり、旧姓のほうが伝わりやすい場合は、今の苗字の横に但し書きとして旧姓を記載するのがよいでしょう。香典袋へ入れるお札について
香典袋にお札を入れるときは、上下や表裏だけでなく、他にも注意すべきポイントがあります。
香典袋に入れるお札の枚数に注意する
香典袋に入れるお札の枚数は、1枚もしくは3枚、5枚が基本です。4枚や9枚は、「死」や「苦」を連想させる数字であり、避けたほうが無難です。また、2枚や6枚といった偶数も、割り切れる数字であることから「故人との縁が切れる」という意味につながります。香典を受け取る方によっては、こうした数字に不快感を与えてしまうため、お札の枚数にも注意しましょう。香典袋に入れるお札の状態にも注意が必要
基本的に香典では新札を使うのは控えましょう。ご祝儀では新札を用意するのがマナーのため混同しやすいですが、香典の場合は、事前に準備が必要な新札は「前もって不幸を予想していた」と捉えられてしまいます。新札しか手元にない場合は、あえて折り目をつけるのが気配りとなります。しかし、あまりにもシワや欠損、汚れがあるお札も相手に対して失礼になってしまうので、さじ加減が重要です。香典袋にお札を入れる際に、今一度お札の状態を確認しましょう。
香典を渡す際のポイント
香典を渡すにあたって、書き方や入れ方以外にもいくつかポイントがあります。
香典の金額相場
一般的な香典の金額相場は以下のとおりです。香典の金額相場は故人との関係性によって変化し、他の参列者とのバランスも配慮する必要があるので目安として考えておきましょう。近所の方:3,000~5,000円
友人・知人:10,000~30,000円
勤務先の方:5,000~10,000円
祖父母:10,000円
両親:100,000円
兄弟・姉妹:30,000~50,000円
親戚:10,000~20,000円
香典を渡すタイミング
基本的には、通夜や告別式に参列した際、焼香をする前に渡します。通夜と告別式のどちらも参列する際は、どちらか一方で渡せば問題ありません。通夜は慌てて向かうことが多く、香典が準備できないこともあります。通夜で香典が間に合わなかった場合は、告別式の際に渡しましょう。
香典の渡し方
香典は袱紗(ふくさ)に包んで渡すのがマナーです。袱紗にも種類がありますが、香典の場合は、紫やグレーなど落ち着いた色を選ぶのが良いです。包む際は、香典袋を袱紗の真ん中より少し右側におき、表面を上にしましょう。右→下→上→左の順で包み、右側の余った部分を内側に折り込みます。香典の渡し方ですが、まずは右手の手のひらに袱紗をおきます。左手を使って袱紗を開き、香典袋を取り出しましょう。袱紗から取り出した香典袋は、表に書かれた名前が相手に見えるように向きを変えて渡します。
渡す際には「この度は、ご愁傷様です」と一言添えましょう。
香典を辞退している場合の対応
遺族によっては、香典を辞退するケースもあります。事情は遺族によってさまざまであり、無理に香典を渡すと迷惑になることも考えられます。その際は、遺族の考え方や気持ちを尊重しましょう。香典に関するルールは、宗教や宗派によって異なり、地域差もありますので、不安なことやわからないことは葬儀社に相談しましょう。
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