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法事の服装ってどうすればいいの?何を着ればいい?

法事の服装イメージ

人生の最後を迎え、葬儀を終えた後も、故人を偲ぶために法事が続きます。法事は亡くなった方のご冥福を祈って供養することももちろんですが、大切な人を失ったご家族の悲しみを癒す役割も持っています。法事に招待され参列するときは、どんな服装が好ましいのでしょうか。「法事があるけど、何を着ればいいかわからない・・・」という方も少なくありません。法事・法要は故人を供養する仏教の儀式ですが、葬儀と違って喪服で良いのか判断するのは難しいものです。法事に参列する際の服装は、故人との関係や法事の種類によっても異なります。そこで、法事に参列する前に知っておきたい、法事ならではの服装マナーについてご紹介します。

目次
■法事とは?法事と法要との違いは?
■喪服にはどんな種類がある?
■法事に参列する際の服装マナーと注意点
■「平服でお越しください」と言われた場合の服装・男性の平服とは
■法事に持参すべき物とは?
■施主側の服装について

法事とは?法事と法要との違いは?

法事は、葬儀の後に故人を偲び、供養するために執り行います。法事は、葬儀の後の初七日法要に始まり四十九日、百箇日、一周忌、そして三回忌、七回忌と何年も続いてきます。その他にお盆、お彼岸などの法要もあります。(地域や宗派によって異なります) 一般的には、三十三回忌や五十回忌を迎えると、弔い上げ(それ以降に年忌法要を行わないこと)になります。法事は単に故人を供養するだけでなく、大切な人を亡くした後、悲しみから立ち直り日常生活を取り戻すことができるよう心の整理をするグリーフケアの役割も担っています。

法事と同様の意味で使われる「法要」があります。法要は、法事の中でお坊さんが経を読み供養する儀式を指します。この法要とあわせて行う参列者の食事会などを含めた一連の行事を法事といいます。法事には葬儀と同様にマナーがあります。故人のご冥福をお祈りする大切な行事ですので、儀礼を欠くことのないようにしたいですね。

法事の服装や持ち物は、葬儀ほど厳格なルールがあるわけではありませんが、故人の親族か親族以外であるか、また故人が亡くなってから満2年を迎える三回忌までと、それ以降の法事かによって服装マナーが異なります。故人が亡くなってから時間がたつと、普段着に近い格好が許容されるケースもあります。喪服の種類について理解しておくと、法事の際の服装に迷わずにすみます。

喪服にはどんな種類がある?

葬儀や法事の服装は「喪服」が一般的です。「喪服」と似た意味で使われる「礼服」は冠婚葬祭で着用する正装のことをいいます。そのなかで、葬儀や法事などの「弔事(ちょうじ)」の場で着用する礼服を「喪服」といいます。

喪服には「正喪服」「準喪服」「略喪服」といった格式が存在します。色が漆黒であるほど格式が高いと言われています。葬儀や法事の主催者である親族側は参列者側より格下にならないような装いを心がける必要があり、参列者は親族よりも格上の喪服を着ないというのがマナーです。では、種類別に見ていきましょう。

正喪服


正喪服は、喪主(施主)と三親等までのご遺族が、お通夜・告別式、三回忌までの法事で着用します。正喪服には和装と洋装がありますが、洋装よりも和装のほうが格上とされています。男性の場合、五つ紋の黒紋付がもっとも格の高い服装です。洋装であればモーニングコートです。女性の場合、和装であれば五つ紋のついた黒の喪服に、黒の帯や小物、洋装であればブラックフォーマルが正喪服に該当します。

準喪服


準喪服は、「準」がついているものの、正式な喪服です。男性の場合はブラックスーツ、女性の場合はブラックフォーマルで、ベルトやバッグ、靴も黒で統一、光沢のある素材は避けるのがマナーです。一般的に「喪服」というと、準喪服を指し、私たちが着用している喪服のほとんどが準喪服です。対象者は喪主や親族、参列者と幅広く、お通夜、告別式、法事の全てで着用できます。

略喪服


略喪服は、略式の喪服で、黒、濃紺、グレーなどのダークスーツやリクルートスーツ、制服、女性の場合は同じく地味な色のワンピースやアンサンブルなどがそれにあたります。お通夜や三回忌以降の法事に参列者として出席する場合、学生や子供などは略喪服でも許容されます。また、主催者側から平服(へいふく)を指定された時も略喪服で参加しましょう。

正喪服はご遺族である喪主と近親者が着用する服装ですので、法事に招待されて参列する場合は、準喪服または略喪服のいずれかとなります。また、準喪服と略喪服のどちらにするかは法事の種類によって判断するのがよいでしょう。
では、法事の種類について見ていきましょう。

参考:オーダースーツならGlobal Style(グローバルスタイル)

法事の種類によって異なる服装

法事は故人が亡くなったあと、何年にも渡り続きます。忌日法要、年忌法要があり、その中でもそれぞれが意味を持っています。仏教では、人が亡くなってから49日までは、現世と来世の間を旅しているといわれています。現世でも来世でもない中間的な狭間であることから、死後49日までの期間を中陰(ちゅういん)といいます。49日目に故人の魂が極楽浄土に成仏すると考えられているため、中陰の期間は7日ごとに法要を行い手厚く供養します。これらを「中陰法要(ちゅういんほうよう)」または「忌日法要(きじつ・きにちほうよう)」といいます。中陰法要/忌日法要には、初七日(しょなのか)、二七日(ふたなのか)、三七日(みなのか)、四七日(よなのか)、五七日(いつなのか)、六七日(むなのか)、七七日(なななのか)/四十九日(しじゅうくにち)と命日から7日ごとに供養しています。※宗派により異なります(浄土真宗を除く)

その後、百箇日、一周忌、三回忌、七回忌と年忌法要を行います。ご家族だけで営むケースもありますが、今回は招待され参列することが多い主な法事についてご紹介します。

初七日の場合


故人が亡くなった命日を含めて7日目に行う初七日(しょなのか)は、故人が三途の川のほとりに到着する日と言われています。葬儀から間もなく、参列者の負担になってしまうため、葬儀の日に併せて執り行うのが一般的です。葬儀には準喪服で参列しますので、初七日法要は葬儀と同じ服装で参列します。

四十九日の場合


故人の死後49日目に行う四十九日(しじゅうくにち)は、忌明け(きあけ)とも呼ばれます。これはご遺族が喪に服す期間を終えることを指します。故人の供養のため読経を行い、会食を行うのが一般的です。四十九日の法事には、親族は正喪服または準喪服を着用します。参列する場合は準喪服を着用しましょう。

百箇日の場合


故人の死後100日目に行う百箇日(ひゃっかにち)は、卒哭忌(そっこくき)とも呼ばれます。悲しみ涙する日々を卒業するという意味を持ちます。四十九日から近いこともあり、近年では省略されることが多く、近親者のみで簡素に行うのが一般的です。百箇日に参列する場合は特に指定がなければ準喪服を着用しましょう。近親者のみで行う場合は、略喪服でもよいでしょう。

一周忌の場合


一周忌は故人が亡くなってから1年後に行う、最初の年忌法要です。三回忌以降は、回忌数から1年を引いた年に法事を行います。三回忌は「3-1=2」ですので、亡くなって2年目に行います。三回忌までは遺族や親族、親しかった友人や知人を招いて、読経を行う法要と会食を行うのが一般的です。一周忌は準喪服で参列するのが無難です。

三回忌の場合


親族は三回忌までは準喪服を着用するのがマナーですが親族以外の参列者は、三回忌には黒スーツなどの略喪服でも問題ありません。ただし、地域性や家庭によって考え方が異なるため、周囲に確認しておくと安心です。

七回忌以降の場合


七回忌は故人が亡くなってから三回目の年忌法要です。葬儀や四十九日の法事の時ほど厳かな雰囲気である必要がないため、親族も親族以外の出席者も正喪服や準喪服ではなく、略喪服を着用しましょう。法事は回を重ねるごとに色が薄まっていく傾向にありますのでグレーの略喪服などがおすすめです。

法事に参列する際の服装マナーと注意点

法事に参列する際の服装マナーとして、喪服だけでなく装飾品も黒を身に着けましょう。黒い服に身を包むことは、死の悲しみに寄り添って身を慎むという意味を持ちます。参列者の場合、三回忌までは喪服を着用するのがマナーと言われています。

男性の場合


準喪服または略喪服を着用します。靴や靴下、ベルトも黒を着用しましょう。ワイシャツは白無地、ネクタイは光沢のない黒無地を選びます。
時計や指輪などのアクセサリーも派手なものは法事には向きませんので避けましょう。また、法事ではお焼香やお辞儀の際に髪が乱れないようまとめておきましょう。長髪は法事の場に向かないと考える人がいないとも限りませんので、ワックスやスプレーで清潔にまとめておくと印象が良いでしょう。

女性の場合


ブラックフォーマルを着用します。露出の高いデザインは避け、スカートはひざが隠れるものを選びます。アクセサリーはダイヤモンドなど煌びやかなものは避けましょう。法事の際はパールやオニキスが一般的です。ただし、二連以上のネックレスは「不幸が重なる」と考えられているため、避けるのがマナーです。ストッキングは薄手の黒を着用します。

厚手のタイツや柄物やラインストーンがあるもの、網タイツなどはふさわしくありません。靴は黒でシンプルなパンプスが基本です。ヒールが高いものや細いものは避けましょう。また、サンダルやミュール等のつま先が出てしまう物は失礼にあたります。髪型はお焼香やお辞儀の邪魔にならないようシンプルかつ清潔に低い位置でまとめ、派手なゴムや髪飾りなどは避けます。

メイクもナチュラルで清潔感のあるものを心がけます。また、ネイルにも注意が必要です。落とすのが難しい場合は手袋を着用することで露出を控えることができます。ただし、お焼香の際には外しましょう。

子供・学生の服装


子供が法事に参列する場合は、大人ほど厳密に服装マナーが決められていませんので、必ずしも喪服でなくてかまいません。赤ちゃんや幼児であれば、黒や白の華美ではない服を選択します。ダークカラーやベージュなどの控えめな色であれば失礼にあたりません。

学生で制服をお持ちであれば制服を着用します。制服は正式礼服にあたります。制服がない場合は、白いシャツに黒・紺などのズボンやスカート、ジャケットを着用します。靴下や靴は黒や紺、白などの派手でないものを選びましょう。

「平服でお越しください」と言われた場合の服装・男性の平服とは

法事に招待された時に「平服(へいふく)でお越しください」と言われることがあります。平服といっても普段着ではなく、略喪服が原則です。故人やご遺族などに対して失礼のない落ち着いた服装を選びましょう。

男性の平服とは


男性の平服は、黒や紺、グレーなどダークカラーのスーツに白いワイシャツを着用します。ネクタイは黒やダークカラーの無地のものを選びましょう。スーツ、シャツ、ネクタイともに無地が望ましいですが、うっすらとした模様や織柄であればかまいません。靴下やベルトなどは黒が無難です。

女性の平服とは


女性の平服は、黒や紺、グレーなどのダークカラーのスーツやアンサンブル、ワンピースなどを着用します。インナーは白ではなく、ダークカラーを選び、露出を控えます。準喪服を着用するときと同様に、アクセサリーは結婚指輪以外のダイヤモンドなど煌びやかなものは避けます。

子供の平服とは


子供の平服は、黒、紺、グレーなどのダークカラーのパンツやスカートに白いシャツを合わせるのが無難です。キャラクターや派手な柄の服を避けましょう。制服は清掃ですので、明るい色であっても問題ありません。制服がある場合は、制服を着用しましょう。赤ちゃんや幼児は落ち着いた色の服であれば問題ありません。

法事に持参すべき物とは?

法事の案内を頂いたら、なるべくすみやかに出欠の返事をしましょう。法事は会食を伴うケースがあるため、参列する人数についても併せて伝えておくとよいでしょう。法事に参列する際の持ち物として、数珠(じゅず)や供物(くもつ)・御供物料(おくもつりょう)などを準備します。

お供え物(供物料)


法事に参列する際に、お供え物として線香や果物、生花などの供物を持参することが一般的でしたが、最近では、供物の代わりに御供物料としてお金を包むことが一般的です。御供物料と同様に、故人の霊前に供えるもので香典がありますが、葬儀で渡すものを香典、法事で渡すものを御供物料といいます。

御供物料の費用は、会食の有無によって変化しますが、3000円から5000円が相場とされています。故人との関係性によっても異なりますが、金額は葬儀に持参した金額の5~7割を目安に用意します。御供物料は不祝儀袋に入れ、弔事用の袱紗(ふくさ)に包んで持っていきます。弔事用の袱紗は紺や緑といった寒色系のものです。

また、紫色の袱紗は弔事だけでなく、結婚式やパーティーなどの慶事でも使用できるので便利です。

施主側の服装について

喪主(施主)やご遺族の場合、法事の服装は三回忌までは正喪服、準喪服を着用します。喪服は喪に服すために着用します。喪主(施主)として法事にふさわしい服装で参加することが望ましいです。近親者のみで行う場合は、略喪服(平服)で行うこともありますが、事前に話し合っておくことをおすすめします。

急な不幸があると、葬儀や法事に参列するための準備や気持ちの整理ができていないことがほとんどです。身近な方に不幸があり、喪主や親族として葬儀や法事を執り行う場合はなおさらです。亡くなってからしばらくは葬儀や法事などが続くため、大切な人を偲ぶ時間もしっかりとれなかったという声も少なくありません。公益社では、ご家族やご自身に万が一のことがあったときに、しっかりとご供養し、心残りのなくお別れしていただくために事前のご相談を承っています。

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