葬儀
知識
2023/01/09
葬儀は大安や仏滅、友引を避けるべき?日取りの考え方を解説
日本では、結婚式などのお祝いごとは、大安などの縁起の良い日に行うのが良いとされています。お祝いごとは前もって日取りを決めることができるため、縁起の良いとされる日をあらかじめ選んで設定することができます。
しかし、訃報は急に訪れるものです。葬儀をするのに都合の良い日が大安であった場合、果たして避けたほうが良いのでしょうか?
【目次】
■葬儀を大安に執り行っても大丈夫?
■六曜のそれぞれの意味
■六曜と葬儀の関係
■宗教別で考える、葬儀と六曜の関係
■葬儀の日程を決めるときのポイント
■かかわる方々が納得のいく葬儀を
葬儀を大安に執り行っても大丈夫?
大安とは、六曜の中で最も縁起の良い日とされています。
あらゆる物事において、良い兆しがみられることから「大安吉日」と呼ばれることもあります。結婚式などのお祝いごとや、新車の納品や建築物の引き渡しの日は大安を選ぶことが多々あります。おめでたい行事を大安に行うというイメージがあるかと思いますが、大安は「大いに安し」、つまり安らかに物事を運ぶことのできる日という意味です。
そのため、おめでたい行事に限らず、葬儀においても、大安を選ぶことは問題ないでしょう。
六曜のそれぞれの意味
六曜の起源は中国とされており、勝負ごとの吉凶を占うために使われていました。鎌倉時代の末期から室町時代にかけて日本に伝わり、江戸時代末期頃から一般に広まった、とされています。
ここでは、六曜のそれぞれの意味をご紹介します。
先勝
先勝は、せんしょう・せんかち・さきがち・さきかちなど、読み方が数多くあります。「先んずれば即ち勝つ」という意味を持ち、先勝は急ぐほど良いとされています。午前中が吉、午後2時から6時までが凶です。先勝の特徴として一日の中で吉凶が入れ替わるということが挙げられます。
友引
友引(ともびき)は、もともとは「共引」という表記がされていました。勝負ごとにおいて勝敗がつかず、ともに引き分けるという意味があります。朝晩は吉、正午を中心に前後1時間の午前11時から午後1時までが凶です。
先負
先負(せんまけ・せんぷ・さきまけ)は「先んずれば即ち負ける」という意味があります。先勝と反対の意味です。午前中に物事を行うのは凶です。ただし、午後も吉とはいえないため無難に過ごすのが良いとされています。じっくり待ってから動くと良いといわれている日です。
仏滅
仏滅(ぶつめつ)は、以前は「物滅」という字が使用されていました。すべての物事が滅びに通ずるという意味があり、一日を通して凶ととらえられている日です。現在は「仏」という字が用いられていますが、仏教由来の言葉ではありません。縁起が悪いとされ、お祝いごとの日取りには避けられる傾向がある一方、弔事をはじめ、悪縁を切り、再出発するには適している日とされています。
赤口
赤口(しゃっこう・しゃっく・せきぐち)は、仏滅の次に勝負ごとは避けたほうが良いとされている日です。お祝いごとは大凶といわれています。午前11時から午後1時までの正午を挟んだ2時間のみが吉で、それ以外は凶です。
また、赤口の「赤」が火や血を連想させるため、火の元や刃物の取り扱いに注意すべき日とされています。
六曜と葬儀の関係
一般的に大安の日に葬儀を執り行っても問題ないということは前述の通りです。それ以外の六曜においては、どうなのでしょうか?
友引の日は避けたほうが良い
友引は、友人を引きこむという漢字からおめでたい行事には縁起が良い日とされています。一方で葬儀においては、故人と親しい友人が一緒にあの世へ連れ去られてしまうと解釈されるため、避けたほうが良いとされています。
友引の日の葬儀を避ける方が多いことから、地域によって、友引の日は火葬場が休みの場合もあります。あくまで「友引」という漢字から連想された迷信ですが、気にする方もいるため、どうしてもという場合でなければ友引の日の葬儀は避けるのが無難です。
友引の日に葬儀を行うことについて、下記のページもご参照ください。
「友引は避けたほうがいいの?葬儀の日程を決めるポイントとは」
先勝、先負、赤口、仏滅には葬儀を行っても問題ない
その他の日取りについてはどうでしょうか?
- 先勝と先負は、時間によって吉凶が異なりますが、葬儀を行ってはいけない時間帯はありません。
- 赤口は、仏滅に次いで縁起が悪いとされていますが、葬儀を行うことは問題ありません。
- 仏滅に葬儀を行うことは、全く問題ありません。仏滅は新しいことを始めるには良くない日とされていますが、葬儀は故人を供養するための日であり、新しいことを始めるわけではないため、気にする必要はないでしょう。
宗教別で考える、葬儀と六曜の関係
葬儀と六曜に対する考え方は、宗教によって異なります。
仏教
仏教と六曜は関係ありません。浄土真宗では、友引を避けるという考え方そのものを否定しているほどです。葬儀を含めたさまざまな行事の日程は、六曜とは無関係に執り行われています。
上記の通り仏教と六曜との結びつきはないのですが、日本人は六曜を信じる方も多いうえに、あえて友引を選んで葬儀を執り行う必要もないため、風習として避けられる傾向があります。
神道
神道も仏教と同様に六曜は関係ありませんが、風習として友引の日を避ける傾向があります。
一方で、お宮参りや七五三、地鎮祭、各種祭礼などの祀りごとの日取りを決める際には、大安などの六曜を意識するのが一般的です。
キリスト教
キリスト教も、六曜との関係性はなく、風習として六曜を意識するということもありません。とはいえ、一部地域によっては友引の葬儀を避けたり火葬場が休みのことが多いため、葬儀を行えない場合があります。
カトリック教会などの教派によっては、「聖土曜日」に葬儀を行えない場合があります。
葬儀の日程を決めるときのポイント
結婚式などのお祝いごとを行う場合は、大安が選択されることが多いですが、葬儀の日程を決めるときには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。葬儀の日程を決めるときのポイントを紹介します。
火葬場の空き状況と休場日を確認する
日本では、ほとんどの遺体は火葬されるため、火葬場が休みの日に葬儀を行うことはできません。友引の日は葬儀を避ける傾向があるため、友引は休日という火葬場も多くなっています。また、都市部では予約が取りづらく、希望する日時に予約が埋まっている可能性があります。一般的に火葬場の手配は葬儀会社が行いますので、担当者に確認しておくと安心です。
セレモニーホールと僧侶の空き状況を確認する
葬儀の会場となるセレモニーホールの空き状況を確認しましょう。
仏教の場合、葬儀では僧侶にお経をあげてもらいます。できるだけ早く菩提寺に連絡をして僧侶の空き状況を確認してください。前もってお願いすることはできないため、どうしても日程の調整ができない場合もあります。可能であれば、他の僧侶を紹介してもらうなどの方法でご対応ください。菩提寺がない場合は、葬儀社に僧侶の手配をお願いするという方法もあります。
参列者の都合を考慮する
すべての方の都合に合わせることはできませんが、できるだけ多くの参列者が参列しやすい日を考えるようにしましょう。遠方からの参列者や仕事の都合をつけてもらうことを考えて、参列してほしい方にはできるだけ早く連絡をしましょう。
地域の風習も念頭に置く
冠婚葬祭に関しては、地域の風習も考慮しましょう。一般的には故人が亡くなった翌日に通夜を行い、その翌日に葬儀を行いますが、地域によっては亡くなったその日に通夜を行うところもあります。
(※法律に基づき、人が亡くなってから24時間経過しないと火葬できませんが、通夜や葬儀を行うことは可能です。)
北海道や東北などでは、遺体を先に火葬し、骨葬で故人を送る風習が残っている地域があります。また、近隣の方が葬儀に参列したり、葬儀を手伝う風習がある地域もあります。地元の風習に合わせて葬儀を執り行うことで、周りの方も心残りなく故人を送ることができます。近隣の方や葬儀社に聞いて、どのような風習があるかを確認してみましょう。
家族でしっかりと話し合う
最も大切なことは、家族でよく話し合うことです。それぞれが六曜をどう捉えるのか、を互いに確認し、納得のできる日程選びができるようにしましょう。
かかわる方々が納得のいく葬儀を
ここまでご説明した通り、六曜とは中国から伝わったとされる勝負ごとの吉凶を占うためのもので、仏教や神道、キリスト教とは関係がありません。
本来、葬儀の日程は六曜に関係なく決められるのですが、ご遺族や参列者の中には六曜を気にする方もいらっしゃいます。そうした方がいることを踏まえて、可能であれば「友を(あの世に)引く」と考えられている友引の日を避けると良いでしょう。
六曜にとらわれる必要はありませんが、親族でよく話し合いのうえ日程を決めてはいかがでしょうか?
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