葬儀が終わった後の事
2021/08/16
供養とは?葬儀の後に喪主がすべきことを解説
供養という言葉を知っていても、説明するのはなかなか難しいという方が多いのではないでしょうか。供養といっても様々で、目的によって方法が異なります。今回は、供養とは何か、また供養の目的や意味についてご紹介します。
目次
■供養とは
■供養の目的
■供養の種類
・仏教供養
・追善供養
・行供養
■永代供養
・永代供養の期限
・永代供養にかかる費用
・屋外型永代供養と屋内型永代供養
・「永代供養」と「永代使用」の違いは?
■先祖供養
・先祖供養の意味
・先祖供養の方法
■供養を行う時期と内容
・初七日
・四十九日
・一周忌
■供養の対象となるもの
・お墓
・仏壇
・ペット
供養とは
供養の語源は、サンスクリット語の「プージャー」または「プージャナー」といわれています。サンスクリット語は古代インドで使用されていた標準的文章語です。過去にお経はサンスクリット語で書かれていたこともあり、仏教に影響を与えている言語です。供養の語源となっている言葉の「プージャー」「プージャナー」は、尊敬を意味します。語源からもわかるように、仏教において供養は尊敬という意味がありました。
現代における供養は、仏壇やお墓などで故人に供物や花をお供えして、亡くなった人の冥福を祈ることを指しています。また、お坊さんに読経してもらいお線香をあげる行為なども供養に該当します。人だけでなく動物や人形、お墓、仏壇、鏡、針なども供養の対象となっています。命を持たないものに対しても、感謝の気持ちを込めて祈りを捧げて供養します。針供養や眼鏡供養は、毎年日にちが決めて実施している神社やお寺も多数あります。
供養の目的
供養には大きく分けて2つの目的があります。1つ目は、故人に向けたものです。亡くなった方の冥福を祈り、霊を慰めるために行います。遺族が心を込めて供養することで、故人があの世でよい報いを受けられるようになると考えられています。2つ目は、遺族に向けたものです。供養を行うことで故人の死と向き合うことができます。故人を失った悲しみを乗り越えて、心を落ち着かせる時間を持つことができます。
供養することで、故人や先祖とのつながりを再確認したり、家族間での信頼関係を深めることにも繋がります。また、副次的な効果として、故人の供養をきっかけに、普段は頻繁に会って話すことがない親戚や知人友人と近況報告を行い絆を深めることができます。
供養の種類
供養には、仏教供養、追善供養、行供養といった種類があります。それぞれの意味についてご紹介します。
仏教供養
仏教供養とは、仏様・諸天(しょてん)・菩薩などに対して尊敬の気持ちを込めて供物を捧げることです。捧げる供物は、香華(こうげ)、燈明(とうみょう・みあかし)、飲食(おんじき)です。香華とは、香と花を指しており線香や焼香を指します。燈明は、神仏に供える火のことでろうそくや電球のことをいいます。飲食は、お供えする飲み物や食べ物のことです。仏教供養を簡単な言葉で言い換えると、仏様や天上界の神々に食べ物や飲み物をお供えして、ろうそくや電球に火を灯し、お線香をあげることです。
※諸天…仏教用語で天上界にいる神々のこと
追善供養
追善供養とは、死者を弔うための供養をいいます。命日の法要を行うことや、仏壇にお菓子やお花をお供えして手を合わせてお祈りすることも、追善供養です。死者の冥福を祈って、生きている人が善い行いをすることが亡くなった人の善行になり、それがいずれ自分に戻ってくるという考え方です。
追善供養は日本独自の供養の考え方で、仏教が伝わる前から日本にあった祖霊信仰と、仏教の考え方が合わさってできたといわれています。
行供養
行供養は仏道の修行のことです。仏教の教えに従い世のため人のために善行をし、善い報いを廻らせることを目的としたものです。善行によって功徳を生み、仏の道を目指します。
永代供養
永代供養という言葉をご存知でしょうか。永代供養とは、お寺や霊園墓地などの管理者がお墓の管理や供養を行ってくれることをいいます。お墓の跡継ぎがいない、故人に身寄りがいない、遺族に負担をかけたくない、お墓を建てられない、お墓が遠くてお参りに行けないなどの理由から、永代供養付きのお墓を探す人が増えています。
永代供養の期限
永代供養は永代にわたって供養してもらえるというわけではなく、一定期間であることがほとんどです。多くの場合、三十三回忌や五十回忌をもって供養を終えます。あらかじめ決められた供養期間に達すると、遺骨をお墓から出して他の人の遺骨とともに永代供養墓(お寺や霊園が管理するお墓)や合祀墓に納められます。
永代供養にかかる費用
永代供養を行う場合は、あらかじめ永代供養費を納めます。永代供養費は幅が広く、10万円~150万円とお墓によって大きな差があります。この永代供養費は、遺骨を収蔵または埋葬される面積に比例するのが一般的です。永代供養のお墓には「単独墓」「集合墓」「合祀墓」と大きく3つに分類できます。
・単独墓・・・個別の墓石を建てて納骨します。
・集合墓・・・納骨スペースが別れていて、1つのスペースに1人分納骨します。いくつもの納骨スペースを集合させて1つのお墓にまとまっています。
・合祀墓・・・納骨スペースが1か所で、他人の遺骨を混ぜて納骨されています。合祀墓にはシンボルとなる墓標が建っています。
墓石代としては、合祀墓や集合墓と比較すると単独墓の料金が一番高くなります。その他にも、お寺や霊園墓地の環境や施設の充実度などによっても金額が異なります。お墓を購入する際にはお墓にかかる費用の内訳をきちんと確認しておきましょう。
屋外型永代供養と屋内型永代供養
お墓というと、屋外を想像される方が多いのですが、近年、お寺や霊園が運営する屋内型の永代供養墓が増えています。特に都心部では急増しています。背景としては、土地や環境の問題、コストの問題が考えられます。屋内型のお墓は、天候に左右されずお墓参りを行うことが可能で、掃除や管理にかかる手間も屋外に比べると少ないメリットがあります。
「永代供養」と「永代使用」の違いは?
永代供養に似た言葉で「永代使用」というものがあります。永代供養は、親族に代わってお寺や施主、霊園墓地などの管理者が供養を行うことを指します。一方、永代使用は、永代使用料を支払うことで、永代にわたって墓地を使用する権利を取得できるというものです。後継不在によってお墓の後を継ぐ者がいない場合は、墓じまいを行うことになります。
先祖供養
ご先祖様がいらっしゃるご家庭で日常的に行われている先祖供養についても説明します。先祖供養は、ご自身のご先祖様の供養を行うことです。ご自身が存在することは、ご先祖様のお陰だということに感謝します。先祖供養は、仏教が日本に伝わる前からあるもので、古来からある日本独自の供養です。お盆にお供えをしてご先祖様を迎え、送り出す行為も先祖供養のひとつです。
先祖供養の意味
先祖供養は、日本古来の祖霊信仰と仏教の結びつきによって生まれたものです。先祖供養を行うことで、先祖を成仏へと導き苦しみから解放するという意味があります。また、子孫が先祖供養を行うことで、いずれ徳として自分に返ってくるとされています。先祖のためにも、また子孫のためにも先祖供養は重要な意味を持っているのです。
先祖供養の方法
●お寺で行う方法
先祖供養をお寺で行う場合は、僧侶に読経してもらうことができます。一周忌や七回忌などの年忌法要を行うこともできます。先祖供養を行う場合は、檀家でなくても受け入れてくれる寺院が多いです。宗教も問わず受け入れてもらえる場合がほとんどです。先祖供養をお寺でお願いする場合は、事前に予約しておきましょう。法要の内容や参列者の人数を確認し、御花の容易や卒塔婆の申込を行います。土日は法事が混雑するため早めに予約をしておくと安心です。
●自宅で行う方法
自宅に仏壇がある方は、日々先祖供養することができます。仏壇にお線香やお花をお供えし、手を合わせてお祈りすることが先祖供養になります。お盆などには、寺院に依頼して僧侶に読経してもらうこともできます。費用や住居スペースの問題などで、仏壇を持たないという方もいらっしゃいます。写真やご位牌を飾り、日々ご先祖様への感謝の気持ちを持つことで先祖供養になります。また、近年人気が高まる手元供養もおすすめです。遺灰をペンダントなどのアクセサリーに入れて身に着けるといった方法もあります。
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供養を行う時期と内容
春と秋のお彼岸やお盆、月命日、忌日法要、年忌法要など、供養を行うタイミングは一年を通して何度もあります。
初七日
初七日方法は、亡くなってから一番最初に行う法要です。命日を含めた七日目に行います。初七日は、亡くなった人が三途の川に到着する日といわれています。この日に三途の川の激流・急流・暖流のどこを渡るのかの裁きが下ります。遺族は初七日法要を行って、故人が暖流を渡れるよう祈ります。近年では、初七日の法要を葬儀と同日に行うことが多くなっています。
四十九日
四十九日は、故人が極楽浄土に行けるかどうかの審判が下る日です。四十九日は、「「七七日(しちしちにち)(なななぬか)(なななのか)」ともいいます。地域によっても異なりますが、四十九日の法要と合わせて納骨が行われることが一般的です。新しくお墓や仏壇を用意した場合には魂入れの儀式を行います。合わせて、御霊を白木の位牌から本位牌に移す儀式も四十九日に行われます。四十九日法要も参列者が列席しやすいよう土日に行うことが多いため、早目に予約することをおすすめします。
一周忌
一周忌は仏教の追善供養のひとつで、亡くなってから1年目の命日に行います。一周忌は年忌法要の中でも、特に重要とされています。遺族や親戚、親しかった友人などが参列し、僧侶に読経してもらいます。その後、お斎(おとき)と呼ばれる食事会を行うことが一般的です。一周忌以降は、三回忌・七回忌・十三回忌・三十三回忌と法要が行われます。一周忌よりも後の法要は、遺族だけで供養することがほとんどです。
供養の対象となるもの
供養は亡くなった人だけでなく、大切にしているペットや、供養の対象となるお墓、仏壇に対しても行います。供養の対象となるものをご紹介します。
お墓
新しくお墓を建てたらお墓の供養を行います。これを「開眼供養」といいます。地方によっては、開眼法要やお墓開き、魂入れと呼ばれることもあります。開眼供養では、新しいお墓にご先祖様の魂を入れる儀式を行います。納骨に間に合うように、四十九日や一周忌の法事の際に行われることが多いです。開眼供養は、僧侶による読経の後に墓前で行われます。墓じまいの際には閉眼供養(魂抜き)を行います。
仏壇
お墓と同様に、仏壇を新しくした時には開眼供養を行います。開眼供養は、仏壇そのものではなく、仏壇の中に安置されているご本尊や位牌を対象に行うものです。仏壇の開眼供養は僧侶の読経によって行うため、四十九日法要や一周忌の法事と合わせて行うことをおすすめします。
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ペット
ペットを家族の一員と考える人が増え、一緒に入れるお墓なども増えてきました。ペット用の仏壇やお線香なども販売されており、その方法は多様化しています。
●自宅で供養する
ペットの供養で最も多いのが、自宅で供養する方法です。ペット専用の仏壇を置いてお花やお水をお供えして手を合わせます。ペットの遺骨を納める専用の遺骨カプセルや、ペットの骨壺を収納できる仏壇もあります。一緒に過ごしたご自宅で供養することで、愛するペットのことを思い出しながら、いつでも手を合わせることができます。
●庭に埋葬する
ペットの遺骨は人間の遺骨とは異なり、物として扱われるため所有する土地に埋葬することが可能です。ペットの遺骨を埋葬する場合は、埋葬した場所がわかるように墓標を置くと良いでしょう。ペット用の墓石は3万円程度で購入することができます。自宅の庭ならいつも手を合わせて供養することができるため、ペットロスを防ぐことができます。墓石の代わりに木やお花を植えるのもおすすめです。ただし、自分の所有地以外の場所にペットの遺骨を埋葬すると、不法投棄になる恐れがあるので避けましょう。
●人とペットが一緒に入れるお墓に埋葬する
人とペットが一緒に入れるお墓が増えています。ご自身がご健在のうちに購入し、先に亡くなったペットだけを埋葬できるお墓もあります。お墓探しの際に、ペットと入れることを条件に探してみましょう。
●ペット専用の霊園・納骨堂で供養する
ペット専用の霊園や納骨堂を利用することも選択肢のひとつです。室内の場合が多く、雨の日でもお参りしやすいというメリットがあります。ただし、お参りできる時間が限られている場合があるので、確認しましょう。きちんと管理されている場合は、掃除も行き届いていて毎日お水の交換をしてくれます。管理状態を確認するために、契約する前に見学することをおすすめします。
供養の種類や方法についてご紹介しました。ご供養を通じて亡くなった人や使わなくなったものに感謝し冥福を祈ることで、その善行がいずれ自分にも返ってきます。これから供養の準備をされる方は、葬儀に関するあらゆる相談ができる葬儀社に事前に確認をしておきましょう。インターネットで情報は集められますが、実際に電話や対面で相談することで、具体的な準備の進め方がイメージできます。事前に相談しておくと、以下のことが把握できます。
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