葬儀が終わった後の事
マナー
2022/12/05
喪中のお正月、年末年始の過ごし方とは?控えたほうが良いことはある?
家族や親族が亡くなると一定の期間、遺族は喪に服します。
喪中は、故人の冥福を祈り結婚式をはじめとするお祝いの場に出席することは控えて、派手な行動は慎み静かに過ごします。
喪中の場合、お正月はどのように過ごすことが好ましいのか?、良く知らない人もいるのではないでしょうか。
今回は、喪中期間の年末年始の過ごし方や、喪中に避けるべきこと、喪中はがきの準備、などについて解説します。
【目次】
■喪中とは?
・喪中の意味
・喪中の期間
・忌中と喪中の違い
■忌中の過ごし方
・祭壇へお供えをする
・神棚封じをする
・四十九日法要の準備をする
■喪中の年末年始・お正月の過ごし方
・喪中の年末の過ごし方
・お正月の過ごし方
■喪中の年賀状の対応
・喪中はがきとは?
・喪中はがきを送る時期
・喪中はがきを送る相手
・年賀状が届いた場合の対応
■キリスト教やそのほかの宗教に喪中はあるの?
・キリスト教
・浄土真宗
・イスラム教
・ヒンドゥー教
■喪中期間は家族内で控えたほうが良いイベント
・結婚式
・旅行
・神社への参拝
■正しい知識を持って喪中を過ごしましょう
喪中とは?
喪中の意味
喪中とは、親族が亡くなった時に故人の冥福を祈り派手な行動を慎む期間のことです。また、親族を失った悲しみを乗り越えて、日常に戻るための期間でもあります。
喪中は、一般的には故人から二親等までの親族がその範囲です。三親等の親族でも付き合いが深い場合は喪中とし、逆に二親等であっても同居の有無や付き合いが浅い場合には、喪中としないこともあります。
喪中の期間
明治時代に発令された太政官布告(だじょうかんふこく)によって、喪中の期間は続柄ごとに定められていました。しかし、太政官布告は昭和22年に廃止されたため、現在はかつてのような明確な決まりはありません。
当時の続柄ごとの喪中期間は、配偶者・父母・義父母が1年、子どもが3ヶ月~1年、兄弟姉妹・祖父母が3~6ヶ月となっていましたが、現在は1年という見方が一般的です。また、亡くなった人が同居をしていない祖父母の場合は、喪中にしないケースも増えています。喪中期間は、地域によっても異なりますので詳しい人に確認しましょう。
忌中と喪中の違い
喪中と似た言葉に「忌中」というものがあります。忌中という言葉は、喪中と比較するとあまり目にしたり耳にしたりすることが少ないかもしれませんが、忌中と喪中では期間が異なります。
喪中は忌中期間を含む3ヶ月〜1年間であることに対し、忌中は四十九日法要(神式では五十日祭)までで、死の穢れが強い時期と言われています。また、忌中は喪中と比較すると、やってはいけないことの制限が多いという違いがあります。
忌中の過ごし方
昔は、家族が亡くなると家の玄関に「忌中」と書かれた忌中札が張られていました。忌中の期間、遺族は喪服を身につけて、外部との接触を完全に避け、肉や魚は食べずに精進料理を食べて過ごしていた時代もあります。現代において、忌中期間にやるべきことを紹介します。
祭壇へお供えをする
葬儀が終わると、遺骨や遺影を自宅に持ち帰ります。四十九日までの間は、中陰壇(ちゅういんだん)や後飾り(あとかざり)と呼ばれる祭壇を作り故人を祀ります。仏壇がある場合は、仏壇の手前の左右どちらかに設置します。仏壇がない場合には、どこに設置しても構いません。
祭壇には毎日お水とお線香をお供えして供養します。そして、仏前に精進料理をお供えします。その他、お菓子や果物、故人の好物だったものなどもお供えします。浄土真宗では仏膳のお供えはしないので注意しましょう。
神棚封じをする
ご自宅に神棚がある人は「神棚封じ」を行います。神棚は家の中にある神社です。神様に死の穢れを近づけないために、忌中の期間は神棚に半紙やお札を貼ります。忌明けまでは、お参りは避けましょう。
四十九日法要の準備をする
葬儀後も何かと慌ただしく疲れが出る頃ですが、忌中に四十九日法要の準備を行わなければなりません。四十九日法要を無事に執り行うことで忌明けとなるため、きちんと準備を行うことはとても重要です。四十九日法要の日程調整、会場の手配、案内状の準備・発送、会食の準備、香典返しの手配などが必要になります。
喪中の年末年始・お正月の過ごし方
喪中の期間はお祝い事を慎む必要があります。新年のお祝いの準備をする年末や、新しい年を迎えてお祝いするお正月はどのように過ごしたら良いのか、解説します。
喪中の年末の過ごし方
●大掃除 → しても良い
年末には大掃除を行い、普段手が行き届かない場所までキレイにして新しい年を迎えるという人も多いでしょう。喪中は年末の大掃除は控えたほうが良いのか悩まれる人もいるのではないでしょうか。大掃除は掃除をするだけでお祝い事ではないので、行っても全く問題はありません。大掃除をして、気持ちよく新年を迎えましょう。
●お歳暮を贈る → しても良い
お歳暮は、日ごろの感謝をお伝えするものなので、贈っても問題ありません。ただし、のしは白い無地のものを使いましょう。お歳暮を贈る時期に間に合わず年が明けてしまった場合、通常はお年賀を贈りますが喪中はお年賀を贈ることができません。少し時期を遅らせて、寒中見舞いとして贈るとよいでしょう。
●除夜の鐘を鳴らす → しても良い
除夜の鐘を突く理由は、人の煩悩を払うためです。煩悩とは仏教用語で、人間の欲求を指しています。煩悩は決して悪いことではありませんが、煩悩に振り回されてしまうことがあるため、大晦日に除夜の鐘を突いて払うのです。除夜の鐘を突くことはお祝い事ではないので、喪中に行っても問題ありません。
●年越しそばを食べる → しても良い
年越しそばには「健康で長生きできますように」という願いが込められています。そばは長いことから、食べると長生きできるとされています。また、そばは切れやすいことから「1年間の苦労や災厄を切り捨てる」という意味もあります。年越しそばを食べることは縁起やゲンを担いだものなので、喪中に行っても問題ありません。
喪中のお正月の過ごし方
●お正月飾り → しない
お正月にお迎えする「年神様」は、神道の神様です。神道では、死は穢れと考えられているため、お正月飾りをして年神様をお迎えすることは避けなければならないこととされています。門松やしめ縄を飾り、鏡餅をお供えするなどのお正月飾りは控えます。
●新年の挨拶 → しない
年始には「あけましておめでとうございます」と挨拶をしますが、喪中は「おめでとう」という言葉を使うことは避けましょう。もし「あけましておめでとうございます」と挨拶をされたら「おはようございます。今年もよろしくお願いします」のような挨拶を返すと良いでしょう。
●おせち料理 → 食べない
おせち料理は、季節の変わり目のお祝いをする日に食べる節目の料理という意味でした。現在は、お正月をお祝いして食べるものになっています。鯛やエビ、紅白のかまぼこなどお祝いの席で出される料理が並ぶため、おせち料理を喪中に食べることは慎んだほうが良いでしょう。お祝い事に関連した食材を使わなければ食べても良いとされる地域があるので、その地域に詳しい人に確認すると良いでしょう。
●お雑煮 → 食べても良い
お雑煮は、1年の無事を祈って食べるものです。お雑煮自体がお祝いの料理というわけではありません。しかし、お正月にお祝いの料理として食べることは避けたほうが良いでしょう。お正月用ではなく、普段の食事として食べる場合は差し支えありません。
●初詣 → 行く場所によっては問題なし
初詣は、お寺に行く場合は問題ありません。しかし、神道では死は穢れとされるため、神様のいらっしゃる神社へ初詣に行くことは控えましょう。神社によっては忌中でなければ参拝しても良いところもあるので、確認すると安心です。
●お年玉 → あげても良い
お年玉には神様からいただいた賜物(たまもの)という意味がありました。お正月に神様にお供えしたお餅を、みんなで分けたことがお年玉のはじまりといわれています。いつからかお餅ではなく、子ども達にお金をあげるようになりました。お年玉はお祝い事の1つではありますが、「あけましておめでとう」というお祝いの言葉が書かれているお年玉袋を避けて渡してはどうでしょうか?
喪中の年賀状の対応
喪中は新年の挨拶を控えるため、喪中のはがきを送ります。ここでは喪中はがきについて解説します。
喪中はがきとは?
喪中はがきは、身内に不幸があったため喪中の期間であることを知らせて、年賀の挨拶を控えることをお詫びするはがきのことです。喪中はがきは、もともとは年賀の欠礼状でしたが、昨今では、葬儀を小規模で行うことが増えていることから、訃報を知らせるという意味合いが強くなってきています。
喪中はがきを送る時期
喪中はがきを送る時期は、10月半ばから11月末までに送付するのが適しています。一般的に年賀状の準備をする12月には忘れられてしまう可能性がありますので、早すぎる時期に送るのは避けましょう。また、逆に遅すぎてしまうと、既に年賀状の作成を済ませ投函していることも考えられます。遅くても12月の上旬までには出すようにしましょう。
年賀状が届いた場合の対応
喪中に年賀状が届く場合があります。喪中のはがきでお知らせしていても、うっかり出してしまうこともあります。または、喪中のはがきを出し忘れていた可能性もあります。
もし喪中に年賀状が届いたら、松の内が明ける日(1月7日前後)を過ぎてから立春(2月4日)までの間に寒中見舞いを出しましょう。寒中見舞いには、年賀状に対するお礼と喪中であること、故人は誰かについて書きます。喪中のはがきを出していない相手には、喪中であることを伝えていないことに対するお詫びと、故人が誰かについての文章を書きましょう。
キリスト教やそのほかの宗教に喪中はあるの?
死に対する考え方は、宗教や宗派によって様々です。キリスト教やその他の宗教にも喪中はあるのでしょうか?
キリスト教
キリスト教で「死」は、神様の導きによって天国へ行く喜ばしいことであるとされています。死を穢れと捉えることもなく、天国へ行けば故人に会えると考えられています。そのため、喪に服すという考え方はないため、喪中はありません。
浄土真宗
浄土真宗の考え方は少しキリスト教と似ているのですが、人は亡くなると既に成仏しているので、故人の死を悼む必要はないとされています。人は亡くなるとすぐに極楽浄土へ旅立ち、仏様になるのです。そのため、喪中期間はなく家族や親族が亡くなっても今までと変わらない生活を送ります。
イスラム教
イスラム教では、女性は4ヶ月と10日間は喪に服すことが義務付けられています。男性は3日間の追悼をします。女性の場合、喪に服す期間は娯楽に当たることは一切禁止されています。
ヒンドゥー教
ヒンドゥー教では、死後13日間にわたり葬儀や儀式が行われます。13日間は食べるものが決まっていたり、石鹸を使用することが禁止されたりします。他にも様々な決まり事がありますが、都市部では緩やかになっています。
喪中期間は控えたほうが良いイベント
喪中期間には控えたほうが良いイベントを、以下ご紹介します。
結婚式
喪中はお祝い事への参加は控えるべきであるとされています。
以前は、喪中は結婚式には欠席することがマナーでしたが、現在では忌明け後であれば良いとされています。ただし、年配の人は気にする場合もあるので、新郎新婦に相談したうえで参加しましょう。
もし欠席する場合は、喪中であることを伝えると結婚式を控えて幸せな気持ちでいる新郎新婦に気を遣わせてしまう可能性があるので、伏せておきましょう。招待状の返信はがきには「やむを得ない事情」と書き、結婚式が終わってから喪中である旨を伝えると良いでしょう。
旅行
喪中の遊興は控えるべきとされていました。しかし、身内に不幸が起こる前から決まっていたことであれば、参加しても良いという考え方が強くなっています。
ただし、贅沢にお金を使って派手に豪遊することがないようにしましょう。
神社への参拝
喪中の期間は、神社に参拝することはできません。
神道において、死は穢れであるとされています。そのため、喪に服している人が神社に足を踏み入れることは禁じられています。神道における忌中の五十日を過ぎれば参拝は可能であるとされていますが、地域や神社によって考え方が異なりますので、確認してから参拝することをおすすめします。
正しい知識を持って喪中を過ごしましょう
喪中は、できる限りおめでたいことは避けて喪に服す期間であると考えられています。
明治時代は喪中期間が正式に決められていましたが、現在は廃止されています。
お正月のお祝い事は慎んだほうが良いのですが、結婚式などは招待してくれた人と相談して決めると良いでしょう。喪中は、マナー違反にならないように配慮し、故人を偲ぶ気持ちを大切にして過ごしましょう。
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