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2022/05/11
通夜の寝ずの番とは?過ごし方と線香のマナーについて
家族が亡くなった際にはお通夜が行われますが、その後に遺族は「寝ずの番」を行うことが多くあります。この寝ずの番を行う際には、過ごし方やその他いくつかマナーが決められています。それに沿って寝ずの番を行うことが大切です。そこで今回は、寝ずの番が行われるようになった理由や過ごし方、寝ずの番をする時のマナー、寝ずの番を行うのが難しい場合の対処法などについて解説します。
【目次】
■寝ずの番とは
■寝ずの番の過ごし方
・寝ずの番を誰がするか決める
・線香とろうそくの火を灯し続ける
・朝まで故人とともに過ごす
■寝ずの番で守るべきマナー
・寝ずの番の服装のマナー
・線香・電気のマナー
■交代で寝ずの番を行うのが難しい場合は?
■寝ずの番の習慣がない地域がある?
■寝ずの番は故人との最後の時間
■万が一の事態に備えて万全の準備を
寝ずの番とは
寝ずの番とは、お通夜の後に遺族がご遺体を夜通し見守ることをいいます。お通夜の翌日に葬儀や告別式が行われるのが多く、故人と別れる前の最後の時間としての意味合いがあります。寝ずの番では、線香やろうそくの火を灯し続けるように決まっていて、これによって悪霊が故人に取りつかないようにし、安心して故人が極楽浄土に行けるようにします。
寝ずの番が行われるようになったのは、医療技術の問題が関係しています。今では心拍数を計測して、その状態から亡くなったかどうかがわかりますが、かつては亡くなったかどうかをすぐに確かめる手段はありませんでした。そのため、死んでいたと思った人が息を吹き返すかもしれないというのを確かめる目的で行われるようになりました。
今では悪霊に取りつかれないようにするなどの別の意味もあって、医療技術に関係なく寝ずの番の文化が残っています。本来は故人と一晩中過ごしますが、中には親族や遺族との関係が希薄であったり、そもそもそういった人が何らかの事情で少なかったりする場合もあります。そういった問題から、最近だと時間の短い半通夜が主流になってきていて、その場合は、半通夜終了から数時間の間だけ故人と一緒の時間を過ごすということも増えてきています。
寝ずの番の過ごし方
寝ずの番にはその過ごし方の慣習があるため、以下の3つの項目を押さえておくことが大事です。
- 寝ずの番を誰がするか決める
- 線香とろうそくの火を灯し続ける
- 朝まで故人とともに過ごす
以下の項から、それぞれを1つずつ見ていきましょう。
寝ずの番を誰がするか決める
寝ずの番をするのは、家系を見て故人と近い関係にいた遺族や親族がするのが一般的とされています。とはいえ、どうしても寝ずの番を過ごせそうにない場合は、他の遺族や親族が務めても問題ありません。遺族や親族同士で、誰が寝ずの番をするのか、交代制でするかどうか、交代制にする場合はどのような順番でまわしていくかを話し合って決めましょう。寝ずの番は故人との大切な時間です。しかし、故人に対してお別れを告げる葬儀や告別式、お通夜とも呼ばれる場合もありますが、それらも大事な節目となる慣習です。その点をよく考えた上で、寝ずの番を過ごすことが大事です。
線香とろうそくの火を灯し続ける
寝ずの番では線香とろうそくを使いますが、どちらも1本だけ使って夜を過ごしきる必要があります。
それは複数本使用してしまうと、極楽浄土へと向かう故人が道に迷ってしまうことを暗示しているからとされています。できれば途中で火が消えないように、燃焼時間の長い線香などを使用して、マッチや大型の着火ライターなどの扱いやすいものを使用するのがおすすめです。最近では防火の意味合いから夜間はろうそく型のライトを使用することも多くあります。
また、故人は極楽浄土へ向かう間に食料らしいものを摂取することはなく、その時の唯一のエネルギー源となるのが線香の煙だといわれています。線香の煙を灯し続けないと、故人がお腹を空かせて辛い思いをしてしまうことになるため、そういった意味も含めて、長い時間灯し続けられる線香を用意しておくことは重要なことです。
火を取り扱う以上は火事になってしまうリスクがあるので、近くには燃えやすいものを置かないようにしておくことも忘れないでください。
朝まで故人とともに過ごす
寝ずの番は朝まで故人とともに過ごすもので、その負担を1人で背負う必要はありません。ろうそく型のライトを用いたり、遺族や親族と協力して交代制にしたりして工夫するようにしましょう。寝ずの番をきちんとしないのは故人に対して不誠実だと思ってしまう人もいるかもしれません。ですが、少子高齢化の影響もあって、寝ずの番をきちんと行うとなると家族1人1人に対しての負担が大きくなりやすい傾向が見られています。
寝ずの番で故人とゆっくり時間を過ごしつつ、葬儀や告別式で改めて故人と別れを告げることが理想的ではありますが、少なくとも遺族や親族が少なかったり、心身が疲れていたりする場合に無理をしないことが大事です。
寝ずの番で守るべきマナー
寝ずの番では必ず守らなければならない決まり事という程のものはありませんが、最低でも押さえておいたほうが良いマナーはあります。以下では、服装や線香・電気のマナーについて意識すべきポイントを解説します。
寝ずの番の服装のマナー
寝ずの番の服装は基本的に何でも構いませんが、自宅以外の場所で寝ずの番をする時だけは、周りの雰囲気に水を差してしまうような目立つ色や奇抜なデザインの服装は避けましょう。親族同士だけの小さな規模で行うものならまだしも、そうでない場所であると大なり小なり故人と関係を持った人たちがいる場合も少なくありません。
寝ずの番の考え方は、最近はあまり堅苦しさを感じるようなものではなくなっていきましたが、昔から寝ずの番をきちんと行ってきた世代の人だと、その考え方は浸透していない可能性が十分にあります。寝ずの番だけに限らず、様々な考え方を持った人が存在する以上、公共の場でのマナーは常識の範囲内で頭の片隅に入れて、考えながら行動することが重要です。自宅で寝ずの番をする際は、周りにいるのは親族だけで、身内以外の誰かが付き添うようなことはほとんどないので、ジャージやパジャマであっても問題ありません。
ただ、家族内の範疇だからといって何でも自由にして良いかというと、決してそういうわけではありません。あまりにも奇抜な格好をしていたら、いくら家族間といっても常識を疑われてしまいます。故人にとってゆかりのあるようなものでない限りは、ある程度のラインは考えながら、派手すぎないくらいの服装に留めておくようにしたほうが良いでしょう。わざわざ寝ずの番で過ごす用の衣服を用意しなくて良い点で、ある程度寝ずの番という風習がそこまで堅苦しいようなものでないことがわかります。
線香・電気のマナー
寝ずの番で灯し続ける線香やろうそくは1本ずつと説明しましたが、宗教によって少し考え方が異なる可能性もあります。念のため事前に確認してから、自分の家系のやり方に合った方法を用いるようにしてください。一般的には亡くなってから四十九日の間は、故人はろうそくの灯りと線香の香りが必要だといわれています。そのため、本来ならろうそくや線香などについては寝ずの番だけでなく、しばらくの間は毎日欠かさず準備しておかなければならないものです。しかし、火事などが起きやすいといった様々な原因から、そこまでの強制力はなく、無理のないペースでろうそくや線香を使ってあげれば問題ありません。
線香の火を消す際には必ず線香を振って火を消さなければならない点があります。これは寝ずの番だけに限る話ではありませんが、仏教では人の吐く息は穢れたものというふうに考えられているため、息を吹いて火を消すことは好ましいことではありません。
また、電気は基本的につけっぱなしにします。ろうそくをライトで代用して全員が寝る状態を作るなら消しても問題ありませんが、大抵の場合は電気がつけっぱなしになるので、明るい場所で寝る場合はアイマスクを準備しておくと便利です。電気についても、四十九日まで考えるなら、毎日電気をつけっぱなしにしていたらそれだけ費用がかかってしまいます。日当たりの良い場所だったら日中は電気をわざわざつけておく必要がないので、その点は工夫して考えておいたほうが良いですね。
交代で寝ずの番を行うのが難しい場合は?
寝ずの番をすることは大事なことですが、物理的に難しいようなことも当然あります。そんな時は自分のできる範囲で故人とのお別れの時間を過ごすようにしてください。
長時間燃える渦巻き線香やライト型のろうそくを使用すれば、全員が寝ていても故人が極楽浄土に無事に辿り着くのには十分です。もし無理をして1人で徹夜して体調を崩してしまったら、大事な葬儀や告別式に参加できなくなってしまいます。別れの節目をともに過ごせなくなることに加え、葬儀や告別式の進行にも影響を与えて迷惑をかけてしまう可能性もあります。その点をよく考えて寝ずの番を行いましょう。
寝ずの番の習慣がない地域がある?
寝ずの番の習慣は宗教的なものだけでなく、地域事情によって変わる場合もあります。寝ずの番に対して、家族を互いに支え合う姿勢に肯定的な考えを持った人が多い地域もあれば、寝ずの番で使うろうそくや線香の火が原因で起こる火災を心配する地域もあります。
特に都市部の斎場だと、防犯の都合上夜間は施錠して誰も入れないようにしているところも少なくありません。自分の住む地域の「寝ずの番の文化」に対する考え方を、周りの人間の意見から聞いて理解し、それに合った行動を取るようにしましょう。そういった点も踏まえると、寝ずの番は身構えずに自然な感じで行うのが無難といえます。
寝ずの番は故人との最後の時間
寝ずの番は故人が安心して極楽浄土へと向かえるようにするために必要とされている慣習で、一晩の間、線香やろうそくの火で故人が正しい道に向かいやすくする意味合いがあります。また、私たちにとっては故人が現世にいるうちに過ごせる最後の時間でもあります。そんな時間をゆっくり過ごして、故人をお見送りしてあげましょう。
ただ、必ずしも一晩中起き続ける必要はありません。無理して体調を崩して葬儀や告別式に参加できないとなるとあらゆる方面で迷惑をかけてしまいます。可能ならずっと起きて故人のそばにいてあげたいものですが、難しければ遺族や親族と交代で見守ってあげたり、長時間火を灯し続けられる線香やろうそくを使ったりして、極楽浄土まで導いてあげるのがよいでしょう。
あまり身構えて取り組まず、ゆっくりとした大切な時間を自然に過ごすような気持ちで取り組んで行くことが何より大切です。その意識を忘れないで寝ずの番を行っていきましょう。
万が一の事態に備えて万全の準備を
現代では、「終活」という言葉が段々と流行し始め、突然の死に備えて理想的な最後を迎えるために様々なことを計画する動きが見られています。寝ずの番だけに限る話でなく、最近は葬儀全体について事前に相談したいと考えている人が増えてきています。
具体的には、どのような場所や費用感で葬儀を行うか、当日どんな進行の流れで進めていくか、亡くなってから着る服装はどうするかといったことを相談しながら決めていって、急な葬儀になって思うような最後を迎えられない状況を作らないようにしていきます。あくまでも亡くなってから魂がこの世から去ることも人生の1つの大きな節目として考えられていて、その時をどう迎えるか事前に考えて備えておくことは大切なことです。
一方、こういった相談はどこですれば良いのかわからないという人も少なくありません。終活の相談先はいくつかありますが、その中でも公益社の事前相談サービスがおすすめです。オンライン相談に対応してくれたり、場所を問わず担当者が来てくれて、無料で相談できたりと、負担なく終活について相談できます。
また、公式サイトでは事前相談レポートが見られるので、以下のサイトからチェックしてみてください。
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