現在、自分の死後ご家族を悩ませないことや、自分の人生を見つめなおす、といった目的として終活を行っている、もしくは行いたいと思っている方が多くいらっしゃいます。

終活の一環に「生前整理」というものがあります。生前整理とは、自分が持っている財産、物品などを生前に仕分けし、整理することです。
生前整理には、遺産相続の分配や、葬儀後に行われるご家族による遺品整理が容易になるなどといった多くのメリットがあります。
ここでは、終活の一環としてやっておきたい生前整理についてご紹介します。

生前整理は単純な断捨離などと違い、自分の死後に意識を向けながら行う必要があります。

当然、生前整理をすることで部屋の中が片付き、自分の生活が楽になるというのも、生前整理のメリットのひとつになりますが、終活の一環として行うのであれば、相続のことや、遺品整理のことについて意識して行う必要があります。
相続に関することを考慮しなくてはいけないということは、整理するものは身の回りの物品に限られたことではないということです。
預貯金や不動産など、財産全体の状況をしっかり確認し、どのように相続するか検討するようにしましょう。

また、生前整理は、ご家族には価値の判断がしにくいコレクション品などといった「自分にしか価値がわからないもの」の整理から始めることをおすすめします。
そうすることで、のこされたご家族がそのコレクション品の価値が分からず、単純に処分されてしまう事態を防ぐことになり、スムーズに生前整理を行っていくことができるでしょう。

生前整理をすることで、自分の財産の状況がどのようになっているのか確認することになります。
それにより誰になにをどのくらい分配するか決定しやすくなり、遺言やエンディングノートを残しやすくなります。



また、身の回りの荷物をまとめておくことで、自分の死後にご家族が遺品整理をしやすくなるということも、生前整理をすることで得られる大きなメリットです。
生前整理は基本的に、残されたご家族のために行うものですが、生前整理を行うことで、本人にとってもメリットがあります。
生前整理は、自分がそれまでの人生で得てきた財産や物品を改めて確認することになります。
整理していくうちに、自分の人生を思い返すきっかけになることもあるでしょう。
もちろん、過去ばかりに目をやっているだけではいけませんが、自分の人生を振り返ることで、その後の人生に向けた活力や気づきを得られることもあるのです。
心機一転、その後の人生をより充実させながら過ごすきっかけになることでしょう。

生前整理は、身の回りの物品も整理することになりますから、それなりに体力を必要とすることがあります。
できるだけ体力に余裕があるうちに行うことをおすすめします。
生前整理は、ご家族だけではなく自分にも大きなメリットがあるものです。
終活について検討中の方は、まず生前整理から始めてみてはいかがでしょうか。
また、終活に関してご不安なことや不明点がございましたらお気軽に公益社へご相談ください。

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生前整理を考えたとき、同時に進めておくべきことに『家族信託』があります。
家族信託は新しい財産管理方法として、近年注目を集めています。
参考：家族信託の「おやとこ」認知症による資産凍結から親を守る