終活
知識
2018/06/07
行政が終活をサポート! 横須賀市の「わたしの終活登録」とは?
行政が終活をサポート! 横須賀市の「わたしの終活登録」とは?
終活とは最後を迎えた時のことを想定して、生きているうちにお墓や葬儀の手配、遺言書の作成などの準備を行い、今をよりよく生きるために行うことです。
ところが自分の最後についてこうしたい、と希望があってもそれらを記した遺言書やエンディングノートの場所がわからないと、残された人がそれを実行できない可能性があるのです。
そこで横須賀市は、市民の遺言書やエンディングノートといった終活に関する情報を登録し、万が一の時に指定した人に情報を開示する事業「わたしの終活」を開始することにしました。
今回はこの横須賀市の取り組みについてご紹介します。
横須賀市の「わたしの終活登録」とはどんなもの?
横須賀市が2018年5月より開始している「終活情報登録伝達事業」、通称「わたしの終活登録」は、市民が希望する情報を登録しておき、亡くなった後にその情報をもとに葬儀・埋葬など行うというもの。
少子高齢化に伴い、死後の対応をしてくれる血縁者がいなかったり、お墓の場所がわからなかったりするケースが増えてきています。
また、故人がのこした遺言書やエンディングノートがあっても、どこにしまっているのかわからないケースも出てきているのです。
そうした動向を受け、横須賀市は市民の個人情報に加え、エンディングノートや遺言書の保管先を登録するサービスを開始することにしました。
万が一の時、医療機関や公的機関および本人が指定した人からの要望に応じて、必要な情報が開示されます。
「わたしの終活」は横須賀市の事業なので、市民であれば所得や家族の有無に関係なく登録が可能です。
横須賀市が終活情報登録伝達事業を始めた経緯
遺族がわからない、あるいは身元がわかっても引き取りに来ない故人の場合は、本人の預金を使えず、市の税金を使って火葬し無縁納骨堂に納めます。
また、孤独死した人の中には「自分の預金を使って無縁仏にしてほしい」という遺書を残す人もいました。
その生前の意思を尊重できないだろうか、ということから横須賀市では2015年より「エンディングプラン・サポート事業」を開始。
「わたしの終活登録」はこれをさらに発展させたもので、所得に関わらず自分の死後の対応について不安を感じている市民の終活情報を登録し、万が一の時に対応する人が困らないようにすることが目的です。
横須賀市の「わたしの終活登録」で登録できることは?
登録できる内容は本人の氏名、住所、生年月日、緊急連絡先だけでなく、延命措置に関する意思やエンディングノート、遺言書の保管先や自由登録項目など11項目。
延命措置の意思やエンディングノート、遺言書などの内容に関しては直接登録せず、保管場所について記載されるので個人の秘密を守ることができます。
ただし、登録の際には各項目についてあらかじめ開示することに同意をしなくてはなりません。
また「わたしの終活」の特徴として、お墓の情報開示を許可している場合、市にお墓の場所を問い合わせると第三者でも教えてもらえる、というものがあります。
友人がお墓参りを希望するものの場所がわからない、夫婦一緒のお墓に入れたいものの先立った夫のお墓の場所がわからない、といったケースにも対応可能です。
死後の対応をしてくれる人が見つからない、という高齢者の増加は、横須賀市だけではなく全国の自治体の課題となっています。
少子高齢化で頼れる血縁者が少なくなっている現代において、横須賀市の納骨までの見守りは市民にとって心強いサポートだと言えるでしょう。
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