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無縁仏が増えている?

無縁仏が増えている?

無縁仏とは、供養をしてくれる親族などがいなくなってしまった故人の遺骨やお墓のことを指します。

少子化や核家族化が進んでいることが原因で、無縁仏が増加傾向にあります。親族がいても、お墓が遠方にあり管理をほったらかしにすると、無縁仏になってしまう可能性があります。また、自分がいなくなったあとにお墓を管理する方がいなくなることで、無縁仏になってしまうこともあります。

無縁仏を作らないためにはどうすれば良いのでしょうか?

目次

■無縁仏とは
・無縁仏とは何か?
・無縁仏になる理由

■お墓が無縁仏になってしまった場合
・合祀とは
・お墓はどうなるの?

■もしも無縁仏を放置したらどうなるの?
・無縁仏は地獄に堕ちる?
・無縁仏はこの世をさまよう?

■無縁仏にならないための対策
・永代供養・合葬

■永代供養・合葬のメリット
・供養を墓地管理者に任せられる
・墓の維持費用がかからない
・宗派や宗旨を問われない
・交通の便が良い

■無縁仏を作らないため、ならないために

無縁仏とは

近年、無縁仏が増えています。
まずは「無縁仏とは何か」、また「無縁仏が増えている理由」について、順にご紹介します。

無縁仏とは何か

お葬式や供養をする親族や縁者がいなくなった故人の遺骨やお墓のことを「無縁仏」といいます。お墓参りに行った時に、管理が行き届いておらず、荒れてしまったお墓を目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。もしかしたらそれは、無縁仏かもしれません。またお墓だけでなく、火葬後の遺骨の引き取り先がない場合も無縁仏となります。

無縁仏になる理由

以下、無縁仏になる主な理由を4つご紹介します。

1.お墓の管理ができなくなった

故人に子孫がいても、なんらかの理由で、お墓の管理をせずに放置した状態になると、無縁仏になってしまいます。多忙でお墓に行けない、お墓が遠方にあるため管理が難しい、などが理由としてあげられます。お墓を管理している方が高齢で、定期的にお参りや掃除をすることが困難になった、というケースも増えています。

2.故人に親類がいない、お墓を用意していなかった

少子化や核家族化、子どもがいない夫婦や生涯未婚者が増えています。その結果、親類がいないという方は少なくありません。親類が誰もいないと、亡くなったあとに無縁仏になる可能性があります。親類がいても疎遠になっている場合、連絡が届かずに無縁仏になる場合もあるでしょう。もし親類がいなくても、生前にあらかじめ納骨先を用意しておけば無縁仏にはなりませんが、生前に備えておく方は多くありません。

3.親族から遺骨の引き取りを拒否された

故人に配偶者や子どもがいても、遺骨の引き取りを拒否されてしまうと、無縁仏になってしまいます。生前になんらかのトラブルにより絶縁していた場合には、このように引き取りを拒否されることがあります。特にトラブルはなくても、あまり付き合いのない親類に遺骨の引き取りを頼んでも、快諾されるケースは多くはないでしょう。お墓の管理は労力と費用がかかります。付き合いがなかった親戚のお墓は、管理を引き受けてくれる方も少ないのが現状です。

4.お墓の管理費が払えなくなった

お墓を維持するためには、お墓を管理している寺院や霊園に管理費用を払わなければなりません。お墓の年間管理費の相場は、民営霊園でおよそ5,000~15,000円、公営霊園で4,000~10,000円、寺院墓地で10,000円前後です。寺院墓地の場合は、年間管理費以外にも、お布施がかかる場合があります。
年間の管理費が重い負担になることはないかもしれませんが、滞納し続けてしまうと管理してもらえなくなり、無縁仏になってしまいます。滞納している方には、その旨を告知することが法律で義務付けられているため、一度滞納しただけではすぐに無縁仏になることはありません。しかし、告知されているにもかかわらず滞納し続けると、無縁仏として処分されてしまいます。

お墓が無縁仏になってしまった場合

管理者がいなくなったお墓は、墓地の管理者がお墓の整理を行います。無縁仏となった遺骨は、無縁仏を祀る施設や無縁墓に合祀(ごうし)されます。

合祀とは

合祀とは、遺骨を骨壺から取り出して血縁関係のない複数の遺骨と混ぜて一緒に埋葬・供養することです。合祀は、合葬(がっそう)と言われることもあります。この合祀は、神道の言葉からきています。本来は特定の神社に複数の神様を奉ることを指す言葉で、時代を経て人間のお墓にも使われるようになったといわれています。合祀墓には、以下のようにさまざまな種類があります。
  • 慰霊碑型合祀墓:
    納骨スペースの上にモニュメントが建てられる合祀墓
  • 自然葬型合祀墓:
    墓石ではなく樹木を墓標として合祀墓
  • 納骨堂型合祀墓:
    屋内形式の納骨堂に設けられた合祀墓
  • 個別集合型合祀墓:
    個人別の納骨スペースに埋葬し、一定の期間が経過した後に地下の合祀専用スペースに移動させる合祀墓
  • 区画型合祀墓:
    個人別の区画に分かれた納骨室に埋葬し、一定の期間が経過した後に地下の合祀専用スペースに移動させる合祀墓
  • 立体型合祀墓:
    骨壺別に地上の納骨スペースに埋葬し、一定の期間が経過した後に地下の合祀専用スペースに移動させる合祀墓
管理者がいなくなって無縁仏になった場合の多くは、慰霊碑型合祀墓に合祀されます。

無縁仏となったお墓はどうなるの?

管理料が支払われない、連絡が取れない、参拝の形跡がないなど、無縁と考えることができる事実が重なると、行政側は法律に基づいて墓地経営者に対する未払いの事実を官報に掲載し、墓地のわかりやすい場所に立て札を1年間設置します。それでも未払いが続いた場合は、お墓は整理されます。管理者がいなくなったお墓は、遺骨を取り出したあとに墓石などを撤去します。その後、整地されて新しい御霊を迎えられるようにします。

もしも無縁仏を放置したらどうなるのか?(宗教的視点から)

宗教的には「無縁仏を放置すると、良くないことが起きる」といわれています。具体的には、どんなことが起きるといわれているのでしょうか?

無縁仏は地獄に堕ちる?

仏教における無縁仏は「地獄に堕ちる」といわれています(浄土宗・浄土真宗などの一部の宗派を除く)。
仏教では、十王による裁判によって極楽浄土へ行けるか、地獄に行くのかが決まるとされています。命日から7日ごとに裁判が行われ、35日目に閻魔大王の裁きによって地獄か極楽かがほぼ決まったあと、49日目に泰山王によって最終的な行先が決定されます。生前の行いが良くなかった方は地獄へ行くことになりますが、追善供養を行えば極楽浄土へ行ける可能性が高くなります。生者から供養を受けることで極楽浄土へ行ける可能性が高まるのですが、供養を受けないと地獄に行く可能性がある、と考えられています。このような理由から、「無縁仏になると地獄に堕ちる」といわれているのです。

無縁仏はこの世をさまよう?

「無縁仏は供養されていない霊であるため、怨念を持ってこの世をさまよう」といわれています。供養をしてくれる方がいないということは、誰もお供えをしてくれないということです。生きている人間に例えると、常にお腹が空き、のどが渇いた状態です。亡くなった方も生きている方と同様に、お腹が空くとイライラすると考えられています。恨みや悲しい気持ちが募り、怨念がたまっていくのです。怨念がたまった無縁仏は、訪れる方に取り憑いたり、祟りをなしたりするともいわれています。

無縁仏にならないための対策

親類がいない方が、すべて無縁仏になるというわけではありません。生前にきちんと対策を講じておくことで、無縁仏にならなくて済みます。
お墓が作れない、お墓の管理をしてくれる方がいない、お墓の管理が将来的に難しいと考えている方は「永代供養」や「合葬」がおすすめです。以下では「永代供養」「合葬」について解説します。

永代供養・合葬

永代供養とは、故人の親族や縁者に代わって、第三者がお墓の維持管理や供養を行うことです。親類がいない方やお墓を引き継ぐ方がいない方にとっては安心です。自分がいなくなったあとに、親族に面倒をかけたくないという方にも選ばれています。永代供養は、生前に支払いを済ませておくことができます。
遺骨の管理期間は決まっており、一般的には33回忌までです。33回忌の法要が行われたあとに他の遺骨とまとめて合葬されます。永代供養は、個別のお墓で供養してもらう場合と、他の遺骨と合同で供養してもらう場合の2種類があります。寺院や霊園ごとに方法が異なるので、相談すると良いでしょう。管理期間が過ぎると合葬されるという点は、どちらも同じです。

永代供養・合葬のメリット

永代供養・合葬は、無縁仏を回避する以外に、以下のようなメリットがあります。

供養を墓地管理者に任せられる

永代供養は、墓地の管理や供養を管理者に任せることができます。そのため、自分や子孫が管理をする必要がありません。ただし、永代供養はお参りが可能な一方、供養に関しては回数などの制限が設けられているところもあるので、確認しましょう。
また、永代供養・合葬は、寺や霊園が管理をしてくれるので、親類にお墓の継承をしてもらう必要がありません。誰にも管理をしてもらえずに、お墓が荒れてしまう心配がありません。

墓の維持費用がかからない

永代供養墓の契約時に料金を払うため、維持費用は基本的にかかりません。新しくお墓を建てる場合には、墓石代、墓所を使用するための永代使用料などがかかります。永代供養墓は、最初に支払う維持費用しかかからないため、一般的なお墓よりもコストを抑えることができます。

宗派や宗旨を問われない

永代供養には「宗旨や宗派を問わず広く受け入れ、故人の供養を行う」という基本的な考え方があるため、宗派や宗旨を問われることなく、誰でも利用できます。ただし、お寺によっては檀家になることを条件としていることもあるので、事前に確認をしましょう。

無縁仏を作らないため、ならないために

無縁仏は、近年増加傾向にあります。少子高齢化や核家族化などが原因となり、今後も増えることが予想されています。
自分が無縁仏になる、無縁仏を作ってしまう可能性はゼロではありません。将来的に墓の管理が難しいと思われた方は、永代供養・合葬について検討されてみてはいかがでしょうか。

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