臨済宗の葬儀
「仏教」と一口にいっても、そこにはさまざまな宗派があります。
特に、在来仏教と呼ばれているものは古くから成立していた伝統的な宗派で、日常生活の中でも非常によく目にする代表的な宗派です。
13(14という説も)の宗派がこの「在来仏教」に分類されており、葬儀式場や墓地では「在来仏教に限り葬儀・埋葬が可」としているところもあります。
今回はそのなかの一つである「臨済宗」について取り上げ、その宗派の考え方と葬儀のあり方、流れについて解説していきます。
臨済宗の葬儀とは
臨済宗は日本仏教において禅宗(臨済宗・曹洞宗・日本達磨宗・黄檗宗・普化宗)の1つです。鎌倉時代以降、日本にも広く普及しました。臨済宗の葬儀では故人を仏の弟子にするため授戒という儀式と、仏の世界へと導くために引導の儀式が中心に行われます。
臨済宗の葬儀の特徴
臨済宗は「禅宗」の一つに分類されており、
鎌倉時代に伝わったといわれています。
「禅問答」という言葉もありますが、自分自身と語り合い、自分自身を見つめることで悟りを開いていくという考え方があります。
葬儀は大きく分けて、授戒(仏門に入るために、戒律を授けること)・念誦(ねんじゅ。詳しくは後述しますが、経典などを口にすること)・引導(導師が亡くなった方を仏門に導き入れること。浄土に旅立たせること)によって構成されています。
特に引導においては、「法語(言葉によって、仏教の正しいあり方や教えを伝えること)」が用いられます。
臨済宗の葬儀の流れ
葬儀の流れは、以下の通りです。これはあくまで「基本」であるため、ほかの宗教・宗派の葬儀と同様、地域差が見られることがあります。
(1)葬儀の意義
まず、導師(臨済宗における宗教者の呼び方)が入場します。その後で剃髪(ていはつ)を行います。これは髪の毛を剃る儀式ですが、現在は「カミソリをあて、剃る素振りに留められて」います。
この後に行われるのが「懺悔文(ざんげもん)」と呼ばれる行程です。亡くなる前後に、今までの人生の行いを悔いたり、罪の許しを乞うたりすることは世界各国の宗教で見られることですが、臨済宗でも同じように行います。
そのあとで、仏の教えに帰依することを誓う「三帰戒文(さんきかいもん)」、浄めの儀式である「三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)」「十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)」が行われます。これによって、仏門に正式に入ることになります。その後、香をたきます。
(2)入棺~説法
故人が棺に入り、また閉じられるときには、特別な念誦が唱えられます。念誦とは心のなかで、あるいは口に出して仏や経文を唱えることを指す言葉であり、これは出棺のときにも行われます。
特徴的なのは「山頭念誦」と呼ばれる儀式です。これは、故人の成仏を願って「往生咒(おうじょうしゅ)」を唱え太鼓を打ち鳴らす儀式をいい「鼓ばつ」と呼ばれることもあります。また、その後に導師によって引導の法語が唱えられることになります。
臨済宗の焼香のやり方
「焼香」は、仏教の葬儀に参加する際に必ずといってよいほど行うものです。ただそのやり方は、宗派によって多少の違いがあります。臨済宗のやり方について見ていきましょう。
1.仏前で合掌し、礼拝する
2.抹香をつまみ、香炉に入れる
3.合掌して礼拝する
これが一連の流れです。
臨済宗において、焼香は1回だけにするのが基本です。また、宗派によっては、一度抹香を額にいただいてから焼香することもありますが、臨済宗ではこのような行動はいたしません。もっとも、これも多少の違いが見られます。なかには2回もしくは3回の焼香を行うケースもあります。
また、額にいただくことも禁じられている訳ではありません。ちなみに、より丁寧に2回行うときは、それぞれ「主香(1回目)」「添え香(2回目)」と、別々の呼び方をされるケースもあります。このように、回数も、額にいただくかどうかも、明確な「決まり」があるわけではないのです。「1回のみでもよい、額にはいただかなくてもよい」というのを基本として覚えておきましょう。
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臨済宗は在来仏教ではありますが、中身を丁寧に見ていくと、意外と知らないことが多かったという人もいるのではないでしょうか。特に、ほかの仏教との考え方の違い、葬儀の流れ、焼香をどのようにするべきか、ということに関しては、なかなかマスターするのは難しいと思われます。
葬儀を行うときは、さまざまな疑問点がたくさん出てきます。そのうちの一つひとつを自分たちで調べるのは、なかなか大変なものです。特に、大切な家族を亡くしたときというのはつらいもので、供養に集中したいことでしょう。
そんなときに慌てずに済むように、プロの手をぜひご利用ください。公益社では、24時間365日対応で適正な規模の葬儀プランの提案をいたします。見積もりも1円単位で明確に提示いたしますので、一度ご相談ください。
まとめ
臨済宗では、「自分と向かい合うこと」を考え方の基本としています。その葬儀は、授戒・念誦・引導の3つによって構成されています。地域にもよりますが、太鼓を打ち鳴らして行われる葬儀は、臨済宗の大きな特徴だといえるでしょう。また、焼香のやり方についても特徴があります。
このように臨済宗の葬儀は、ほかの在来仏教とは異なる部分も多く、なかなか複雑な面もあります。また、臨済宗の僧侶になるための修業は、仏教の中でも特に厳しいと言われており、厳格なご住職が多い傾向にありますので、葬儀に関する疑問点は何なりとプロである公益社へご相談ください。
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