天台宗の葬儀
「天台宗」は、非常に長い歴史を持っています。平安時代に最澄によって開かれた仏教の宗派であり、大乗仏教に分類されています。学校の授業で習った、という人もいるかもしれません。
今回は、この「天台宗」の考え方、葬儀の特徴、葬儀のやり方などについて解説していきます。
天台宗の葬儀とは
天台宗とは平安時代、最澄が開いた宗派で、非常に長い歴史を持っています。法華経を経典とします。滋賀県と京都府にまたがる比叡山延暦寺が本山になります。
今回は、この「天台宗」の考え方、葬儀の特徴、葬儀のやり方などについて解説していきます。
天台宗の葬儀の特徴
天台宗は「すべての人間はみんな、仏の子どもである」という視点を持っています。また、「真実を求め、追求する心があれば、それが悟りに繋がるのだ」という考え方を有している仏教でもあります。
天台宗を象徴する言葉のうちの一つとして「一隅を照らす」というものがあります。これは「自分自身が輝くことで、周りの人も明るくすることができる。そうした人たちが手を結びあい生きていく世界は、仏の世界と同じである」といった考えであり、天台宗の根幹をなすものでもあります。
さて、この天台宗の葬儀においては(1)顕教法要(2)例時作法(3)密教法要の3つが重要視されます。1つずつ見ていきましょう。
天台宗の掲げる経典は、法華経です。(1)の顕教法要では、この法華経を唱えることによって、日々の懺悔を行います。天台宗では、人はみな仏の子どもでありその身の内に仏性を宿しているので、懺悔することでこの仏性を高めるとしているのです。
次に、「例時作法」について考えましょう。これはお経を唱えることによって、死後に極楽に行くことを祈願するものです。また、お経を唱えることで、現世もまた極楽のようにすばらしい世界にするのだ、という願いも込められています。
密教法要についても解説いたします。定められた印を作り、真言(仏のことば。真実のことば)で故人を弔います。これによって、故人は極楽に行くことができると考えられています。
天台宗の葬儀の流れ
天台宗における、葬儀の流れを見ていきましょう。
通夜では、臨終の誦経や通夜の誦経が行われます。これらはすべて「亡くなった後」に行われるものであり、カトリックのお葬式のように、旅立つ前に行われるものではありません。
「剃度式(ていどしき)」と呼ばれるものがあります。これは、水やお香を使って故人の身をお浄めする儀式のことです。「剃度」ということで、髪の毛にもかみそりをあてますが、現在では実際に剃髪をすることはほとんどありません。このときは「仏の元に出家する」という考えがとられます。また、この剃度式が終わった後には戒名が与えられます。
ここまでが通夜で行われるものです。
葬儀の際は、導師によって「列讃(れっさん)」が行われます。穏やかな曲が流れ、打楽器が鳴らされます。阿弥陀如来に迎えられて故人が仏となり、その成仏をお祈りすることになります。
天台宗では、「お茶を供える」という儀式があります。列讃の後には棺が閉ざされるのですが、その後に、茶器を供えるのです。これは「奠湯(てんとう)」「奠茶(てんちゃ)」と呼ばれる儀式です。
導師によって引導が渡されたのち、たいまつや線香などによって空中に梵字が描かれます。故人を称える文が唱えられ、弔辞などを読んだ後に読経を行うことになります。最後に回向文が唱えられて、葬儀は終わります。
天台宗の葬儀の焼香の作法、数珠の使い方
天台宗の焼香は基本3回とされています。合掌礼拝をした後、右手の3本の指(親指と人差し指と中指)を使って香をとります。その後、右手に左手を添えて額にいただき、焼香します。これを繰り返したのち、再度合掌礼拝を行います。
もっともこれは、あくまで一つの基準にすぎません。天台宗においては、焼香の回数も明確には決められていないので、1回でよいとするケースもあります。
線香を使う場合は、本数は1本か3本です。1本の場合は真ん中に立てますが、3本の場合はその後ろにさらに2本を立てます。
特徴的なのは「数珠」です。天台宗では一般的な数珠とは異なり、丸い玉を連ねた数珠は使いません。天台宗に使われるのは、楕円形のかたちをした平たい数珠です。一般的には、108個の「主玉」と4つの「天玉」、そして1つの「親玉」が連なっており、親玉からさらに紐が伸びています。その紐には「弟子玉」が連なっています。
天台宗の数珠は、親指と人差し指の間にひっかけるようにして持ちます。そして、弟子玉が連なっている部分を下側に垂らして礼拝することになります。
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天台宗は在来仏教の一つであり、とても認知度のある宗派でもあります。ただ、それでも、ほかの宗派のお葬式同様、地域差などがあるのも事実です。また、宗教離れがよく取り上げられている今、「天台宗ということは聞いているけれど、実際にはどのように葬儀をしたらよいのかわからない」「実家から離れて久しいので、葬儀を考えるようになって初めて、自分の家が天台宗なのだと知った」という人も多いのではないでしょうか。そのような人は、ぜひ、公益社にご相談ください。
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葬儀は、非日常的な出来事です。わからないところがあっても当たり前ですから、プロである公益社に何でもご相談いただき、疑問点を解消していきましょう。
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