橋爪講師 2003年10月の入学から半年が過ぎましたが、皆さんが今どんな事を感じているのか聞かせてください。
宇屋 僕は同じ志をもった8人と出会えた事が一番うれしかった。僕はこの世にエンバーミングを望まれる方が1人でもいらしゃっる限り、世界中のどこにでも行ってエンバーミングをやりたい、という想いで入学したんですが、同じように強い意志をもった人達と出会えたことが何よりも素晴らしい事だと思っています。
川口 宇屋さんらしい素晴らしい発言ですね。私も個性的な皆さんと一緒に勉強できて、このカレッジはとても心地いいですよ。
馬塲 そうだね。みんな規格外というか、既成のレールに乗った生き方はしてないと思いますね。
坂下 私も馬塲さんと同じように前の仕事を辞めて入学しましたが、本当に来てよかった。
宇屋 そういう意味では葬祭業経験者は僕だけで、東欧の国の領事館にいた人や、医療関係の仕事に就いていた人、英語の専門学校を卒業してすぐに来た人とか、みんな全く違った境遇から、開校1年目のこのカレッジに飛び込んできたっていう数少ない人達に出会えたこと自体がすごいな、と。
馬塲 個性はバラバラで、だけど志は同じ。実際座学では、短期間で多くの内容を学習するんだけど、みんな遅くまで集まって得意分野をお互いに教え合ったり、協力できたね。
佐藤講師 それに、みんなを見てるといつも新しい事をやりたい、やろうってうずうずしている感じが伝わってきますね。
坂下 みんな入学当初よりさらに行動的になってきている気がします。プライベートでもカレッジでも。お互いがいい刺激になるみたいです。
橋爪講師 これからはエンバーミング実習が本格的に始まりますが、皆さんの今後について、どんな抱負をもっているかとか、次に入学してくる方々に伝えたいことなどがあれば教えてください。
川口 今実習で、エンバーマーの方にいろいろ説明を受けたり、施術を見学している段階ですが、エンバーマーも人。いろんな人がいて、感じ方もさまざまで、それぞれの考えのもとにエンバーミングをされている。だから、こちらがただ受け身でいるだけではなくて、その時々で自分の考えをもって、しっかり見極めていかなければと思っています。自分は何のためにエンバーミングをやるのかを常に念頭に置いてやっていきたいですね。
馬塲 それと、ご遺体にはご遺族がいらっしゃってその時ただ1度限りのエンバーミングになるわけだから1回1回、真剣勝負でやっていきたい。そこの部分だけはしっかり気持ちにラインを引いて取り組んでいきたいです。
坂下 私は、ここまでみんなが高め合って何か新しいものを探し出していこう、っていう気運のある人達の集まりだとは思ってなかったんです。だけど、実際はこのカレッジにいると毎日がそういう発見の場でもある。それで今、修復や化粧の実習に取組み始めて、この分野でも、既存の方法にとらわれないで、本当にいいものを生み出せる可能性をすごく感じているところです。
宇屋 僕は、将来「ご遺体の声」がしっかり聞けるエンバーマーになりたいと思っています。で、入学から半年経った今は、自分の居場所の設計図を手に入れたばかりの段階だと思うんですね。
その設計図をもとにこれから1年半かけて家を建てて行こうとしているところです。そしてその家が建った時、やっと自分の居場所と呼べるものができてくるのかなって思っています。だから、入学しようかと考えている人には、本当に自分の居場所として相応しいか、そうでないかは、入ってから判断しても決して遅くはないし、開校1年目に僕たちが作った設計図を一度見に来てもらえればうれしいですね。
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